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2021.03.12

サステナブルな水産養殖の世界へ。なぜ私はスタートアップに身を投じたのか

佐藤彰子 ウミトロン株式会社ビジネスディベロップメント兼コーポレートサクセスマネジャー

世界的な人口増や乱獲で危機的状況にある食糧問題を語る上で、水産資源の管理は喫緊の課題となっている。

食糧危機を解決するフードテックの鍵を握っているのが水産養殖のテクノロジーだ。中でも、持続可能な水産養殖の実装を目指すスタートアップ「ウミトロン」に注目が集まっている。

「持続可能な水産養殖を実装する」という同社のミッションに魅かれて転職した佐藤彰子が見た、スタートアップの可能性とは。



起業家の話に触発され、リアルテックのスタートアップを目指す


私はウミトロンが3社目です。1社目はメガバンクの総合職で法人営業、2社目が前職で、住宅情報プラットフォームのメガベンチャーで人事をしていました。

前職で、採用活動の一環で新卒学生向けに名だたる起業家の方々をお呼びして講演や対談をしてもらうイベントを開催したことがあります。学生が経営者の壮大なビジョンを聞くことで跳躍するきっかけを作るという趣旨でしたが、気がつくと私自身が触発されていました。

特にワクワクしたのが某ディープテック系スタートアップの対談。生物や水を対象とした研究開発をする最先端テクノロジーがこれだけ進化しているのかと驚き、衝撃を受けました。

この対談で受けた衝撃が忘れられず、転職活動では手触り感が感じられるリアルテック領域のスタートアップに絞って会社を探しました。最も重視したのがミッションで、次いで人とカルチャー。それらの点でフィットしたのが、ウミトロンでした。

ウミトロンのミッション「持続可能な水産養殖を地球に実装する」にビビッときて、魚という生き物を相手にする水産養殖はテクノロジーを活かす領域としてとてもおもしろいと思いました。



社会貢献性が高いことも私にとっては重要でした。人が生きるのに必要なのは衣食住と言われますが、衣と住は失われても命を奪われることはありません。でも食がなくなると命そのものが奪われてしまう。だから持続可能な水産養殖は、世界中の人類に貢献できる究極の領域だと思いました。

そしてフードテックの分野でも水産養殖を手がけるベンチャーはあまり聞きません。実際、世界でも数が少なくブルーオーシャンで、そして大変な成長産業です。

選考過程では共同創業者の3人に会いました。それぞれキャラクターもバックグラウンドも違っていて、いいチームだと感じました。よく見せようとすることもなく、フラットに接してくれました。

当時、社員は総勢7人。私が8人目の社員でしたが、規模が小さければ小さいほど、自分で会社を育てていく感覚が得られると思っていたので私にとってはプラスでした。幅広くいろいろな仕事にチャレンジできそうなところも気に入って入社を決めました。

唯一、不安に思ったのは給与面。私の場合、前職からかなりダウンしたので一瞬だけ躊躇しましたが、すぐに「会社を大きくして自分で上げればいい」と思い直しました。実際、入社後は評価に応じて年収も変化していますし、逆に貢献した分は認めてくれると励みになっています。

迷うより行動、スタートアップらしいスピード感



2019年のジャパン・インターナショナル・シーフードショーにて巨大ブース展示を担当した時の写真

仕事の幅はどんどん広がっています。私はビジネスディベロップメントでオファーを受けたのですが、結局入社してから人事、広報も引き受けました。その比率が増えつつ、並行して今は2つのプロジェクトに入り、マーケティングなどを担当しています。例えるなら、あらゆるところに成長のチャンスがたくさん落ちていて、それをどんどん拾いながら走っている感覚です。

かといって、決してブラックな環境ではありません。入社前は、スタートアップということで、大変な激務なのではと不安もありましたが、自由に、かつ効率的に働けているので、むしろワークライフバランスは良くなり、変なストレスがなくなりました。

なぜ効率的かというと、意思決定が速いのです。何かを始めようと思うと、大企業になればなるほど稟議などの事務手続きと、チームや上司とのミーティング、根回しなどのステップを複数踏む必要がありますが、スタートアップでは相談したその場で「とりあえずクイックにやってみたらいいんじゃない?」となるので、迷うことに使う時間が減りました。

7割の出来でいいから、まずやってみて知見化していくというカルチャーなので、迷いと事務手続きに時間をとられません。実際に手を動かして得られる知見のほうが多いのです。

ただし、最初は自分のマインドセットに苦労しました。「自分で決めて自分でやる」という機会は、大企業では少ないものです。相談や承認といったプロセスは、ある意味上司などを盾にして自分を守ることでもあるので、最初はその癖が出てしまいました。日々働くなかで、何度も「自分で決めてやっていいですよ」と言われました。

一方で、それはスタートアップの受け入れ側の課題でもあります。人は自分事として経験しないとマインドを変えられないので、自分で決めて進めていいのだと示し、何度も声をかけ、時にフォローすることも必要です。また、そういったフィードバックのベースにあるのは心理的安全性だと思います。

ウミトロンは今、約30人の規模になっているのですが、新しいメンバーが加わると必ず全員と1on1のミーティングをするようにしています。お互いを知って気軽に声をかけたり、相談できたりする関係を築くためです。それが入社間もないメンバー間の心理的安全性にもつながります。

想像を超える日々を重ね、会社も自分も急成長。数字では表せない満足感




ウミトロンはスタートアップらしく会社の成長速度が速く、1年前にはまったく考えられなかったプロジェクトが次々と生まれ、並行して走っています。想像できない1年が積み重なって会社が成長し、伴って自分も一緒に成長します。それはシンプルに楽しいことです。

だから、いい意味で、会社の将来の姿も自分の姿も想像がつきません。次のキャリアのことは、理想に近い働き方ができている現状全く考えていないし、考えられない働き方です。そんな毎日なので、ウミトロンに入ったことに対する後悔は1ミリもありません。満足度なんて、とても数字に表せません。



これまでの転職活動を振り返ると、情報収集には苦労しました。アーリーステージの会社ほどホームページも求人情報も整理されていないことが多く、必要な情報にたどり着けません。理想とする会社に自力で出会うことが難しいと思ったので、私の場合はエージェントに頼りました。私もエージェントのフォースタートアップスにお世話になりました。

スタートアップへの転職に不安な点を挙げるとすれば、「自分が通用するかどうか自信がない」というものがあるかもしれません。スタートアップは優秀で尖った人が行くイメージがありますから。大企業にいても、意識して自分でオーナーシップを持って何かを推進する経験を積む努力をすれば、スタートアップの世界に飛び込んでも戸惑いは少なくなるでしょう。

まったく同じ仕事をするわけではないにしても、それまでの仕事の経験は思考性など何らかの形で必ず活きます。私も広報やマーケティングは未経験でしたが、採用業務で競合他社のなかでいかに差別化できるかと注力していきたので、思考のフレームワークは活かせています。



銀行の法人営業時代に、新卒の早い時期から社数としては多い50社程度を担当していたことが、今に活きています。業種柄、手続きやルールが多く、かつミスや漏れが許されないなかで、マルチタスクを漏れなく並行してこなすことが得意になりました。まさに今のマルチタスクな働き方にピッタリでした。大量の稟議書を書き上げるのも、プレスリリースなど文章を書くのが苦でなくなる良い経験になりました。

いろいろな不安は、身近に自分に近しいキャリアのロールモデルがいて相談できれば、かなり負担は軽くなると思います。自分が目指しているスタートアップに勤めている人から話を聞くのがベストですが、規模感が同程度のスタートアップであれば、その中の人の話も参考になると思います。

こうした不安があること自体、情報発信に関してスタートアップ側に課題があると言えます。そもそも転職を意識したとき、スタートアップが選択肢になるケースはまだまだ少ないでしょう。情報発信などに力を入れて、当事者としてスタートアップの底上げに貢献したいと思っています。




佐藤彰子◎ウミトロン株式会社ビジネスディベロップメント兼コーポレートサクセスマネジャー

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