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2021.02.05 17:00

プロダクト進化、新領域参入 ミッションとカルチャーが生んだatama plusの急成長

atama plus代表取締役 稲田大輔

atama plus代表取締役 稲田大輔

Forbes JAPANが毎年開催している、日本の優れたクラウド非上場企業を表彰する「Cloud Top10」。2020年版で4位に輝いたのは、人工知能(AI)を活用した小中高生向け学習教材を展開するatama plus(アタマプラス)だ。全国の塾・予備校内のタブレット端末やWebで利用できる、小中高生向けの教材アプリ「atama+」などをSaaSモデルで提供しているバーティカル(特定業界特化)クラウド企業である。同社は、コロナ禍で、全国の小中高校などへの臨時休校要請に伴い、顧客である全国の塾・予備校も休校となる厳しい状況下にもかかわらず、急成長を遂げた。その理由とは。


「『強みはなんですか』と聞かれれば、プロダクト、アルゴリズム、顧客基盤というわかりやすい答えはあります。ただ、究極的に、最後まで(他社が)真似できないのはカルチャー。『教育に、人に、社会に、次の可能性を』というミッションを大事にするカルチャーが原動力となり、業績の伸びに繋がりました」

atama plus代表取締役の稲田大輔が急成長の要因としてあげるのは、コロナ禍の2020年2月に新たに提供開始した「atama+」Web版の開発とその基盤となったカルチャーの存在だ。

同社は、学習を一人ひとりに最適化するタブレット型AI教材「atama+」を全国の塾・予備校に提供してきた。塾・予備校内で講師のコーチングを受けながらの利用を前提としたプロダクトだ。新型コロナウイルス感染拡大に伴う、全国の小中高校への臨時休校要請が出る直前の2月25日、同様の学習が自宅のPCやタブレット端末でも継続使用できる「atama+」Web版の臨時提供を開始。塾向けプロダクトを家庭学習向けにも進化させた。

「学校が休校になると塾も休校になる。僕らのプロダクトは塾・予備校内でしか使用できなかったため、普通に考えると売り上げは厳しくなるのですが、結果的に売り上げは急成長しました。その理由が、「atama+」Web版の提供です。プロダクトチームが開発開始してから1週間で作りきりました。また、ビジネスチームが同時に動いて、Web版を使用した際のオンライン講座の設計や、塾の方が生徒の保護者の皆様にオンライン講座について告知するのを支援するなど、カスタマーサクセスを徹底的に行いました。

合わせて、広報チームが『緊急事態宣言中の学習はこう変わる』という情報提供をして、新しいオンライン学習の認知度を高めることもできた。各チームが自律して一丸となって動いた結果、一気に使用された。ミッションに向かってできることは何か──と、一人ひとりが自律して動いているので、変化に強い組織ができていると思います」(稲田)
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文=山本智之 写真=帆足宗弘(AVGVST)

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