シンガポールに「屋内庭園」ホテル 持続可能性がテーマに

photo courtesy of Panpacific

建物に自然の要素を多く取り入れた「バイオフィリックデザイン」で有名なシンガポールで、同国初の屋内庭園を持つホテルがオープンした。

「庭園都市」を自称するシンガポールでは、バイオフィリック建築や熱帯植物の緑地があふれる世界一グリーンな都市になることを目指している。そうした中、新たなバイオフィリック型施設として登場したのが、パン・パシフィック・ホテル・グループが昨年末にオープンさせたホテル「パークロイヤル・コレクション・マリーナ・ベイ」だ。

同ホテルは、同じ敷地に建っていたマリーナ・マンダリン・シンガポールを4500万シンガポールドル(約35億円)を投じ改装したもので、サステナビリティー(持続可能性)とウェルネスに焦点を当てている。元々の大胆な構造は、近未来的デザインで知られる米建築家ジョン・ポートマンが手掛けたもの。改装ではそれが大幅にアップデートされ、高さ13メートルの壁面緑化が施されたり、2400本以上の草木を配置した約370平方メートルの屋内ロビー庭園がつくられたりした。

吹き抜けのスペースには、木々を眼下に4階部分を横切るスカイブリッジがある。鳥の巣をイメージした休憩スペースは、夜に明かりがともるとランタンのように浮かび上がる。



ホテルではサステナビリティーへの配慮が至る所になされており、最新型の浄水システムを導入したり、生分解性容器を使用したり、食品廃棄物を分解して庭園のための栄養分に富んだ水を作ったりといった取り組みが行われている。

583の客室は全てアーストーン(茶系の色)で装飾され、部屋のバルコニーからは都心あるいは湾が望める。5階にはミネラルウオーターを使ったプールがあり、夜になると1380本の光ファイバーのライトがきらめく中で、マリーナベイの夜景が楽しめる。

同ホテルでは2021年春にかけて、自然をテーマにしたさらなる改築が行われる予定だ。

編集=遠藤宗生

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