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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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世界で内燃エンジン自動車の販売禁止の期限を前倒しする国が相次ぎ、全価格帯で完全電気自動車(EV)を発売するメーカーが増加する中で、市場もついに変化し始めたようだ。英国ではEVに対する関心が500%上昇。欧州全体での2020年の販売台数は50万台に達した。

テスラの時価総額は今や5000億ドル(約52兆円)に達し、欧州最大のEV製造工場を立ち上げたフォルクスワーゲンが発売したID.3は10月に欧州で最も売れた車種となった。GMやBMWなどの自動車メーカーも、EV部門に注力し始めている。28社が共同で立ち上げた米ロビー団体「ゼロエミッション輸送協会(ZETA)」は、米国で販売される自動車の全てを2030年までにEVとするために必要な経済的、社会的、政治的な環境作りを目指している。

欧州では、発電で生じるCO2も考慮した上で、EVは既にガソリン車の3倍もクリーンだ。カリフォルニア州では、EVの台数の急増は当たり前のこととして受け止められており、さらに州の発電インフラの問題に対するひとつの解決策としてEVが注目されている。

トランプ政権はカリフォルニア州の厳しい排ガス規制を緩和させようとしてきたが、複数のメーカーがこの法廷闘争から撤退した。米国で最重要かつ世界でも最大級の自動車市場を抱える同州での動向は通常、自動車業界に大きく影響する。

最近になって気候非常事態宣言をした日本もまた、ディーゼル車とガソリン車の販売禁止期限を2030年に前倒しした。これは日本と同じく左側通行だが自動車メーカーが存在しないオーストラリアで懸念を呼んでおり、自国も足並みを揃えなければ右ハンドルの化石燃料車が極端な供給不足に陥る恐れがあるとの見方が出ている。

EVとバッテリーに関連する技術の競争は現在、大幅に激化しており、継続的な改善によりEVが未来に向けた合理的な選択肢となる新たな段階へと入っている。自動車業界の将来をEV中心に根本から見直すべき時がきているが、ガソリン車に固執する人や懐疑派はこの事実を長く否定してきた。

世界各国がディーゼル・ガソリン車の販売禁止時期を前倒しし、厳しい使用制限を課して道路から排除しようとしている今、自動車の購入を考えている人は、ディーゼル車やガソリン車を選択すべきかどうかを考えた方がよいだろう。私たちは今、人類史上最大規模の技術的転換点に差し掛かっている。それは、向こう数年の間に起きることだろう。そうなっても、事前の警告がなかったとは言わないように。

編集=遠藤宗生

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