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(Photo by J. Lawler Duggan/For The Washington Post via Getty Images)

1970年に設立された米国の「連邦住宅金融抵当公庫」は、一般的にはフレディマックの呼び名で知られている。消費者に住宅ローンを提供する同社は、フィンテック企業「Zest AI」と組んで、住宅ローンの貸し出しリスク査定を開始した。

フレディマックは2020年の第3四半期のみで、米国で130万件の住宅ローンを提供していた。

2009年設立のZest AIはロサンゼルスに本拠を置く企業で、AI(人工知能)を活用してローン審査を行っている。同社は通常の金融機関よりも迅速な与信プロセスを実現し、人種的偏見を排除する。米国では伝統的に、有色人種の顧客が利用可能なローン限度額が、白人に比べて低くなる傾向があり、格差拡大の原因となっている。

Zest AIはテクノロジーの力で格差を縮小させ、低所得コミュニティを支援することをゴールとしている。同社の最大の顧客として知られるのが、全米120都市に拠点を構え、総資産額が230億ドル(約2.4兆円)に及ぶ銀行のFirst National Bank of Omahaや、Discover Financial Servicesなどだ。Zest AIは、70億ドルの個人向けローンを手がけるDiscoverの貸し出しリスクの査定も実施している。

Zest AIのCEOのMike de Vereによると、同社と提携した銀行は20%程度、貸し出し件数を伸ばしているという。フレディマックは現時点では、Zest AIのシステムの導入時期や目標件数を開示していないが、de Vereの概算では、フレディマックは今後、年間数万人の有色人種の顧客向けにローン提供を行う見通しだという。

フレディマック幹部のMichael Bradleyは声明で、Zest AIとの提携によって同社が、人々が住宅を購入する機会を拡大すると述べた。なかでも、初めて家を買う人や、有色人種の人々、低所得コミュニティの人々向けの貸し出しを増やせると述べた。

Zest AIは米国をパンデミックが襲った今年3月に、100人の社員の約2割をレイオフしていたが、今回の提携によって再び勢いを取り戻せるかもしれない。De Vereによると、同社の事業は回復基調にあり、米国の銀行業界の主要企業3社と話し合いを進めているという。

編集=上田裕資

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