ダイエットの鍵は「胆嚢と胆汁」 栄養士が提唱する新常識

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胆汁酸塩はコレステロールを原料としているので、コレステロール値を調整する役割も果たしている。体内のコレステロールの約80パーセントが、肝臓で胆汁酸塩を合成するために使われている。毎日だいたい500ミリグラムだ。

胆汁酸塩は胆汁の主要な成分なので、食事で摂取すれば、肝臓はよりたくさんの胆汁をつくれるようになる。なお食事で摂取するという方法は、手術で胆嚢を摘出した人にとって特に有効だ。

胆石をはじめとする胆嚢の病気は、たとえ重症であっても、ここで紹介するような方法で劇的に改善する。私自身が実際に何例も目撃してきた。とにかく試してみて損はない。

苦い食材で胆汁の流れをよくする


では、どのような食材が炎症を抑え、胆汁の流れを改善するのか。

それは、「苦い食材」だ。

苦いものを食べると、苦さが刺激となって胆汁や唾液、胃酸、ペプシン、ガストリン、膵酵素が分泌される。また、下部食道括約筋を強化する働きもあるとされている。

いくつかの研究によると、苦い食材を実際に飲み込まなくても、ただ味わうだけで効果があるという。つまり、苦い食材は少ない分量でも効果が期待できるということだ。最初の一歩としては、甘いものを控えて苦い食材を増やすところから始めてみよう。

野菜の多くは「苦い食材」に分類される。人間は本来、苦い味を好むようになっている。しかし私たちはその本能を捨てて、代わりに砂糖依存症のような状態になってしまった。

どんなにバランスのいい食生活を心がけていても、砂糖依存症はすべてを台無しにしてしまう。その結果、まるでパンドラの箱を開けたかのように、ありとあらゆる健康問題が出現することになった。

アメリカ人は、年間1人あたり35〜70キロの砂糖を消費している。しかもこの数字はいわゆる「砂糖」だけで、その他の糖分や精製された炭水化物まで含めるとさらに多くなる。

低脂肪で、加工食品や糖分、炭水化物をたくさん摂取する食生活を長年にわたって続けてきた結果、胆嚢の機能が低下して胆汁がドロドロになってしまっている。農場でできたものをそのまま食べていた時代は、こんな問題は存在すらしなかったのだ。

この「砂糖依存症」という問題を解決するカギは甘み以外の味覚を育てることだ。人間の舌は甘みだけでなく、しょっぱさ、酸っぱさ、苦さも感知できる。甘いものを減らすほど、甘み以外の3つの味覚がより敏感になる。

「クレソン」や「ルッコラ」「エンダイブ」「タンポポ」「ラディッキオ」などの苦い葉菜類が効果的だ。また「ホースラディッシュ」にはがんの予防になる成分が含まれている。

次の図表は、毎日の食事に取り入れたい、苦い食材の一覧だ。きっと意外な名前もたくさん見つかるだろう。

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『カラダが脂肪燃焼マシンに変わる 代謝革命ダイエット』(かんき出版)より

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