調査の結果、ランキング入りした500大学は、4年間で平均404.4件の研究を実施したということが明らかになった。ただし、トップの大学が2067件の関連研究を行ったのに比べ、最も低いランキングの大学が行った研究数は181件にとどまった。ランキング内においても、研究数に大きな差があることが確認された。
今回、AI研究の量と質の双方を分析して指数が開発されたが、ランキング上位500大学の平均指数は46.01ポイントとなった。1位の大学は92.9ポイントをマークした。
ランキング1位はカリフォルニア大学バークレー校だった。2位以下、トップ10にはマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、チューリッヒ工科大学(スイス)、キング・アブドゥルアズィーズ大学(サウジアラビア)、シンガポール国立大学、カーネギーメロン大学、ケンブリッジ大学、中国科学院、シドニー工科大学がそれぞれランクインした。
(図)人工知能研究の指数 上位10大学
出典:SPRi Analysis/レポートの詳細はこちらから
ランキング入りした500大学の国別分布をみると、上位から中国101校(20.2%)、米国61校(12.2%)、インド45校(9%)、英国29校(5.8%)、日本25校(5%)、フランス21校(4.2%)という結果となった。一方、100位までに絞ると、中国39校、米国19校、英国6校、オーストラリア6校、イタリア4校、香港4校、シンガポール3校と若干、内訳に変化も。一方で、中国と米国はいずれのランキングでも強みを持っていることが改めて確認された。
レポートは、研究の「数と質に関する指数がともに高い大学」「数の指数は低いが質の指数が高い大学」「数の指数は高いが質の指数が低い大学」「数と質の指数がともに低い大学」というグルーピングを通じた分析も行っている。結果、ベスト100にランクインしている中国の39校、また英国とオーストラリアの各6校が、今後、ベスト10入りする可能性が高い大学として浮上してきたという。
今後も大学現場におけるAI研究は過熱していくはずである。どの大学が“AI時代の名門校”となるか注目していきたい。