やり直しはきく。いま日本人がジェフ・ベゾスから学ぶべきこと

Photo by Alex Wong/Getty Images


数字やデータの解析スキル

大学院で統計・データ解析を専攻しており、アメリカで暮らすなかで、日本人の数字に対する感度はグローバルにおいても非常に高い水準であると体感しました。このスキルをビジネスの現場で応用した実績もあるので、その点をさらに強化し、アピールポイントにつなげました。

メーカーでのビジネス経験

メーカーで製造・生産管理・物流を担当してきたこと、さらに、アマゾンへ商品を卸すメーカー側の内部事情に精通していることが希少性をもっているとわかったので、メーカーで培ったスキルや経験との関連性や連続性をより意識するようにしました。

アマゾンジャパンでの実績

アマゾン本社を受けるなかで、どうしても正攻法で突破できないと感じ、一度アマゾンジャパンへ就職し、そこで実績を積むという方向にシフトチェンジしたという経緯があります。アマゾンジャパンに在籍しながら、希望するポジションと同じ「ベンダー・マネージャー」として実績を残すことができたので、大きなアピールポイントになりました。

もちろん、上記の3点を自分の強みとして把握しただけでは採用には至りませんが、他者との差別化を図ることで、非ネイティブでも採用の可能性は十分にあると実感しています。

小さな実験と改善を繰り返しゴールに近づく


ここからは、アメリカでの就職活動における具体的なTipを紹介していきます。

まず、前述したとおり、アメリカはコネ社会であることを理解しなければいけません。これは、私たちがイメージする縁故採用とは異なります。自分のスキルやパーソナリティを客観的に評価し、推薦してくれる人との繋がりのことです。「ネットワーキング」という方が適切かもしれません。

人事担当者が応募書類を確認する時間は、1人あたり5秒にも満たないといわれています。実績のない私がネットワークももたずして書類審査の通過を試みるのは、遠回りかつ無謀だったことが、今ならよくわかります。

ちなみに、コネクションは気軽につくることができて、アメリカでは頻繁にネットワークイベントが開催されているので、そこに参加すれば、興味のある企業の方と知り合うチャンスがあります。また、地方や国外にお住まいの方はFacebookやLinkedInを使ってアプローチすることも可能です。

次に、面接を突破するまで。これがもっとも骨の折れるプロセスでした。

書類審査を通過すると、非ネイティブには高いハードルとなる、英語でのインタビューが始まります。

電話面接では相手の表情や動きが見えず、冒頭に書いたとおり、ていよく打ち切られることもしばしば。今の実力では突破できないとわかったので、アマゾンジャパンへ入社して、そこで実績を積んで再挑戦することを選択しました。

特に非ネイティブの方にとっては、現地に赴いて正攻法で採用試験を受けるより、外資系企業の日本法人や海外と接点の多い日本企業に一度就職し、そこで海外の部署や取引先、顧客などと関係を構築しながら転籍や転職を目指すのが、予見性が高いと感じています。
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文=伊藤みさき 構成=竹崎孝二

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