米国で今も消えない「漂白剤がコロナ治療に有効」というデマ

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安全ではないという警告が何カ月も続いているにもかかわらず、一部のアメリカ人は、漂白剤を飲むことによって新型コロナウイルスの自己治療を試みている。ジョージア州の当局は、このような試みが死につながる可能性があると警告した。

ジョージア州公衆衛生局は、漂白剤である二酸化塩素を消費することに対する警告を出した。ブライアン・ケンプ知事は、新型コロナウイルスを“治療”するために、二酸化塩素を使用している住民についての報告を受けたと述べている。

米食品医薬品局(FDA)は4月から、新型コロナウイルスの治療薬として二酸化塩素製品を使用することの危険性について警告している。「二酸化塩素の使用は、危険をもたらし、新型コロナウイルスを含むいかなる病気の治療にも効果を示さない」と公衆衛生局は指摘し、「人が飲み込むことを意図したものではない」と述べた。

米国ではパンデミックの発生後に、漂白剤を飲むことで新型コロナウイルスを治療できるという誤った説が広まっており、トランプ大統領がその効果を否定した後も、これを信じこむ人が存在する。

トランプ大統領は今年4月の記者会見で、「新型コロナウイルス治療として消毒剤を注射するのはどうだろう」と記者会見で言及し、大手メーカーのLysolは「いかなる状況下においても、人間が漂白剤を摂取すべきではない」との声明を発表していた。

トランプはさらに、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンにコロナの予防効果があると主張したが、その後の研究でその効果は否定された。

トランプが記者会見で漂白剤について発言した数時間後に、ニューヨーク市の毒物管理センターには、30件の漂白剤絡みの電話問い合わせが寄せられたという。

フロリダ州のある家族は、数万本のミラクル・ミネラル・ソリューションと呼ばれる漂白剤を「新型コロナウイルスの治療効果がある」と宣伝して販売し、連邦政府に摘発されていた。

編集=上田裕資

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