事業家のマインドを持って、仲間として支援
社名にもあるBonds──この言葉は“絆”という意味を持つ。常に起業家に寄り添い、チーム・起業家・投資家の全ステイクホルダーがワンチームとして大きな社会課題に挑み、起業家とともに大きな事業を創造する。社名には、そんな意味が込められている。
またリブランディングに際し、投資哲学も再定義。「誠実か」「大義があるか」「創造的か」の3つを投資哲学とし、この3つの併せ持つ起業家に対してバディ制(主担当、副担当の2人体制)にてハンズオン支援し、社会課題の解決に挑んでいく。
「Bonds Investment Groupの投資担当者の多くは、事業創出に携わった経験を持っていることが大きな特徴です。だからこそ、自らも事業家であるというマインドを持ち、投資先のスタートアップに対して、事業提携のアイデアを持ちかけることもあります」(細野)
先日、発表された国内最大級のオシャレ建材ECサイト「HAGS-ハグス-」を手がけるWAKUWAKUと、住まいと暮らしの実例写真共有サービス「RoomClip(ルームクリップ)」を手がけるルームクリップの協業はBonds Investment Groupが持ちかけたという。
「VCに対して支援者や投資家というイメージを持つ人は多いアプローチする人が多いと思うのですが、我々は起業家と並走していく、一緒に作り上げていく仲間というスタンスで投資しています。ですから、どっちが上か下かという立場は関係なく、一緒に社会課題を解決するプロジェクトを進めている仲間の意識がすごく強いんです」(日野)
VCとしての“第二章”へ
リブランディングを機に、オフィスも移転。新たなオフィスは「BONDS HAUS(ボンズハウス)」と名付け、そこに投資先のスタートアップや、Bonds Investment Groupのミッションに共感した様々な分野の専門家が気軽に集まれるコミュニティにするとのこと。
「1つの課題を1つのスタートアップが解決するよりも仲間を増やし、みんなで取り組めばより大きな課題が解決できる。だからこそ、たくさんの人が集まれるコミュニティがBonds Investment Groupにとっては、とても重要です。
今後、いくつかのアクションをとっていこうと思っていますが、その1つにコミュニティーの最大化を図るというものがあります。よくVCのホームページを見ると、10〜20人のアドバイザーが載っていますが、個人的にはそれよりも多い数千〜数万の単位でコミュニティーに入ってもらい、一緒に社会課題の解決をクラウドファンド的な形で支援する、もしくは興味を持つための仕組みを1つのコミュニティーで確立することはやっていきたいと思っているところです」(細野)
また、VCのパフォーマンスはリターンをどれくらい出したか、経済的な指標で測られることが多い中、細野は「将来的にはSROI(社会的投資利益率)という指標も導入して投資の検討も進めていければ、と思っています」と語る。
「その事業をやることで社会が抱えている負のインパクトを、どれだけ経済的な価値として解消できるのか。単純な損得勘定を抜きにして、スタートアップが社会課題の解決に貢献している、社会にとってなくてはならないもの、という価値を生み出していきたい。そうした中で新しいものが生まれて、そこを支援していく。そんな社会課題解決の循環を作っていけたらいいな、と思っているところです」(細野)
オプトベンチャーズからBonds Investment Groupへ──立ち上げから約7年、VCとしての“第二章”はこれから本格化していく予定だ。