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Chesnot/Getty Images

中国企業「バイトダンス」の創業者でTikTokを立ち上げた36歳のビリオネアのチャン・イーミン(張一鳴)が、1000万ドル(約10億円)をビル&メリンダ・ゲイツ財団が設立した新型コロナウイルスの治療薬開発を加速するためのアクセラレータに寄付すると宣言した。

「COVID-19 Therapeutics Accelerator」と呼ばれるこのアクセラレータには既に、マーク・ザッカーバーグ夫妻やデル創業者のマイケル・デル夫妻、歌手のマドンナらも寄付を行っている。

広報担当者によるとチャンは過去に2回、ビル・ゲイツと面談しており、個人的に親しい間柄ではないものの、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の活動に感銘を受けて、寄付を申し出たという。「チャンは2人の活動を見て、十分な資産を持つ全ての起業家はコミュニティに貢献すべきであると考えるようになった」と担当者は述べた。

COVID-19 Therapeutics Acceleratorは今年3月に設立され、ゲイツ財団と英国のウェルカム・トラスト、マスターカードからの1億2500万ドルの資金で始動した。そして4月にザッカーバーグ夫妻のCZI(チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ)が2500万ドルを拠出し、英国政府やマドンナらも寄付を行った。

同アクセラレータの使命は、治療薬開発のための研究を促進し、迅速で柔軟な資金の供給体制を整えていくこととされており、WHO(世界保健機関)や各国政府、民間の研究者を巻き込み、出来るだけ早期に治療薬を開発することを目指している。

ゲイツ財団のグローバル・ヘルス部門を統括するTrevor Mundelは声明で、「各国の政府や民間セクターの組織に加え、チャンのような起業家が寄付に参加してくれたことは、パンデミックを乗り越えるために、いかにコラボレーションが重要であるかを示している」と述べた。「ワクチンが開発されるまでの間は、検査の拡大と隔離や治療が、ベストな選択肢となる」

フォーブスは、バイトダンスの株式の約4分の1を保有するチャンの保有資産を162億ドルと試算している。北京本拠のバイトダンスは2012年創業の非公開企業で、2018年の資金調達時の評価額は750億ドルとされていた。

2016年に中国で創設されたTikTokは、翌年にはグローバル市場に進出した。調査企業App Annieのデータで、TikTokは世界6億2500万人に利用されており、特にZ世代の若者の間での支持を高めている。チャンが大規模な寄付を行ったのは今回が初めてだ。

編集=上田裕資

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