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Piotr Swat / Shutterstock.com

サンフランシスコのフィンテック企業「SoFi(ソーファイ)」は学生向けローンから仮想通貨のトレーディングまで、多様な金融サービスを提供する大手として知られている。同社の正式社名はソーシャル・ファイナンスだが、他企業との混同を避けるため、一般的にはSoFiの名称で知られている。

SoFiは4月7日、ユタ州ソルトレイクシティ本拠の決済企業Galileoを12億ドル(約1300億円)で買収することを明らかにした。Galileoは、他企業の決済システム構築を支援しており、顧客には株取引アプリのロビンフッドや送金アプリのTransferWise、デジタル銀行のChimeらがいる。

関係筋によるとGalileoの年間売上は昨年末時点で、1億ドル近くに及んでいた。同社は顧客企業にAPIやカスタマイズ可能なコードを提供し、決済システムの導入を支援する。Galileoは2001年に設立された企業だが、2019年にAccelなどから7700万ドルを調達するまで目立った資金調達を実施してこなかった。

今回の12億ドルという買収額は、昨年10月に実施した調達ラウンドの際の評価額と同じ金額だとされる。SoFiは買収にあたり8億7500万ドルをエクイティで提供し、2億5000万ドルをデットで、7500万ドルを現金で支払うという。

SoFi によるGalileoの買収から見えてくるのは、SoFiの事業の多角化に向けた強い野心だ。2011年にオンライン限定の学生ローンを始動したSoFiは、住宅ローンや個人ローン、株式や仮想通貨のトレーディングに進出し、ETFや当座預金サービスも開始した。

昨年秋にSoFiは、4億ドルと伝えられる金額で、NFLのロサンゼルス・ラムズとチャージャーズのスタジアムの命名権を購入し、SoFiスタジアムの建設を進めている。2011年設立の同社は、累計23億ドルの資金をソフトバンクなどから調達している。

関係筋によるとSoFiは昨年、4億ドル以上の年間売上をあげ、現金保有残高は20億ドルに達しているという。

SoFiのCEOのアンソニー・ノトは、Galileoの買収により収益源の多角化を目指している。Galileoは今後も独立した事業体として存続し、CEOのClay Wilkesは現職にとどまる。このスキームにより、SoFiはGalileoが幅広い顧客にアピールすることを望んでいる。

個人顧客の平均年収は16万ドル


SoFiは既に傘下のSoFi MoneyでGalileoのサービスを利用しており、買収によってコストを引き下げる狙いもある。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、このような規模の買収は異例のものといえる。事態の先行きが見えない中で、多くのディールが中断状態にある。しかし、フィンテック分野の企業の投資意欲は、感染拡大による影響をさほど受けていないことが、今回のSoFiの動きから伺える。

ただし、優良な顧客を数多く抱えるSoFiが、他のフィンテック企業と比べると非常に有利なポジションにいることは確かだ。債権の格付けエージェンシーのKrollの直近のレポートで、SoFiの個人ローンを利用する平均的な顧客の年収は、約16万5000ドルとされていた。

編集=上田裕資

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