イタリア在住の日本人宛てに、イタリア領事館から送られたという以下のメールにも、現地の事態の深刻さがにじむ。
「3月9日夜、イタリア政府は新たな首相令を定め、移動制限、学校の一時閉鎖、レストラン・バールの夜間営業停止等(この部分は11日、※のように変更された)の措置を10日朝からイタリア全土に適用することを決定しました。移動制限については、職務上の必要性,健康上の理由、自身の住居への移動等に該当する場合,移動は許可されます。これらの措置は4月3日まで有効です。
※3月11日、イタリア政府は新たな首相令により、12日から生活必需品の販売店、薬局、スーパーマーケットを除く全ての商業及び小売り販売活動の休止を決定しました。なお、この措置の後も、公共交通機関、公益に資するサービス、銀行・郵便・金融・保険サービス等、生活に不可欠な公共サービスは継続されます」
だが自宅にこもりながらも、イタリアの人々は、在宅で楽しむ方法をさまざまに模索しているようだ。われわれも参考にできるる情報がForbes Italiaの記事にある。以下、翻訳転載で紹介しよう。
ここ数日、われわれイタリア人はみな、孤立した生活を強いられている。だがいながらにしてできる、しかも意義あるエンターテイメントを見つけるのは、状況が好転するのを待つ間最高の人生の過ごし方ではないだろうか。
そう、今の時代、家に閉じ込められていても、アート鑑賞や博物館のヴァーチャルツアー、史跡探検や宇宙体験を諦める必要はまったくない。
ここでは、その中からほんの一部を紹介しよう。
ハッシュタグ「#IoRestoACasa(#私は家で過ごします)」が人気
この時期、イタリアで最もよく利用されているハッシュタグ、「#IoRestoACasa(#私は家で過ごします)」という呼びかけに従って、世界に散らばる美術館ではアートを普段とは別のかたちで楽しむ方法を提供し始めている。
まず、ペギー・グッゲンハイム美術館。ヴェネツィア、カナル・グランデに面したこの美術館では、インスタグラムの公式ページを使って、ヴァーチャルなアートトーク“VOICE YOU CHOICE”を始めた。これは、毎回作品がひとつ選ばれ、美術館のエキスパートたちが作品にまつわる未公開エピソードを含め、いろいろ教えてくれるというもの。
フィレンツェのウッフィーツィ美術館もこの動きに賛同。以下のリンクから、チマブーエ(1240-1320)とボッティチェッリ(1444-1510)の代表作を鑑賞できるという。
ウッフィーツィ美術館(Shutterstock)
パリのルーヴル美術館では、フランス語と英語で美術館内のヴァーチャルツアーを提供。同様のサービスは、ニューヨークのメトロポリタン美術館と、マドリードのプラド美術館でも提供している。
(これはイタリア語のわかる方限定だが)トリノのエジプト博物館の館長、クリスティアン・グレコからのメッセージが見られる。
恐竜や先史時代が好きな子供たちには、アメリカのスミソニアン博物館がおすすめだ。米政府が運営するこの博物館の公式サイトでは、ヴァーチャルツアーのできるパビリオンが満載だ。
バッキンガム宮殿やポルシェ博物館も
イギリス王室のバッキンガム宮殿では、ヴァーチャルな見学ツアーを提供している。
バッキンガム宮殿(Shutterstock)
ポルシェは、ポルシェ博物館のヴァーチャルツアーを提供している。またこのビデオでは、西暦79年、ヴェズーヴィオ山が噴火する以前、当時の住民が生活していた当時のポンペイ遺跡の様子をヴァーチャルで見学できる。
NASAとの宇宙体験?
米国航空宇宙局(NASA)は、「重力ゼロ施設」、「宇宙環境コンプレックス」、「衝撃研究所」など、宇宙体験ができるユニークな各種ヴァーチャルツアーを数多く提供している。
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