しかし、本当に効果があるのかわからないのも事実。そこで今回は『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP社刊)を監修した、日本酒好きの医師・浅部伸一先生に真相を伺いました。
「迎え酒」は何も解決しない
飲み過ぎた翌日に、二日酔いを治すためにお酒を飲むという「迎え酒」。やや迷信めいた話ですが、本当に効果があるのでしょうか。
「二日酔いの状態でアルコールを飲むと、脳に麻酔作用を再び与えることになり、頭痛や気持ち悪さが感じにくくなります。しかし、これはあくまで症状を先送りしているだけ。解決にはなりません」と、浅部先生。
頭痛や吐き気、胃のムカつきは身体からのSOS。迎え酒を飲んでしまうと、その症状が回復するまでの時間が延びてしまうだけです。お酒ではなく、頭痛薬や胃薬などを飲むようにしましょう。
続けて「迎え酒をしなきゃダメだという人は、依存症の危険性があります」と、警鐘を鳴らします。アルコールが切れると調子が悪くなる人、精神的に落ち込む人、身体がだるくなってしまう人などは要注意。専門医に相談してみましょう。
「お酒を飲まないと調子が上がらない」は黄信号
「お酒を飲まないと調子が上がらない」と言って、仕事前にお酒を飲む人はどうでしょうか。
「それはアルコール依存症初期の可能性がありますね。理由ははっきりしていませんが、依存症の人は少しアルコールが入ったほうが、仕事の能率が高まるという話もあります」と、浅部先生。
「科学的にいえば、アルコールが切れれば、脳はふつうに活動できるはず。飲んだほうが調子が良いという人は、脳のなかで何か別の反応が起こっているかもしれません」
アルコールが切れると調子が悪くなり、ちょっと一杯飲むと調子が良くなる人は危ないそうです。仕事中は理性による制限がかかっていますが、アルコールが切れるとやる気が下がってしまい、気分の浮き沈みが激しい状態になってしまう危険があるのです。