一般に考えられているのとは逆に、航空会社のマイルは、頻繁に飛行機に乗るよりもクレジットカードの入会や利用のほうが効率よく貯められる。そのうえ、飛行機に乗ることでマイルを貯めるのは、航空券に正規料金を支払っていることを意味する。マイルをたっぷり貯められるし航空会社のステータスを取得できるかもしれないが、そのために多くの金を使うことにもなるのだ。
狙うならビジネスではなくファーストクラス
では、手に入れたポイントを最大活用するにはどうすればいいだろう。航空会社はビジネスクラスの利用客を獲得しようと努力しているが成果は上がっておらず、航空券は割安で手に入りやすくなっている。だが、ファーストクラスは事情が違う。
多くの航空会社がファーストクラスを廃止しており、現在も提供しているのは世界で18社の航空会社だけ(2021年当時)である。カタール航空とブリティッシュ・エアウェイズが現在提供しているビジネスクラスには、ライバル企業が自社の多くの航空機から段階的に廃止しているファーストクラスに負けない競争力がある。
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アメリカでは、デルタ航空とユナイテッド航空は長距離線のファーストクラスの提供をしておらず、アメリカン航空が提供しているのみである。それでも詳しく調べ、検索すればファーストクラスの航空券は見つけられる。
アメックスなどのカードでポイントをもらったら、マイルを使って予約したい航空会社やフライトを見つけるまでそれを使わないでおく。なぜなら、航空会社の提携カードでなければ、アライアンス(航空連合)に関係なく、ポイントを多くの航空会社のマイルと交換ができるからだ。つまり、ほぼすべての航空会社で使えるわけである。航空券との交換が可能かどうかを見つけるには、利用する可能性のある航空会社のマイレージサービスに加入することが大切な第一歩となる。
たとえば、エティハド航空、シンガポール航空、エミレーツ航空のファーストクラスの航空券は比較的手に入れやすい。そのうえ、これらの航空会社はどれも、とびきり素晴らしいファーストクラスのサービスを提供している。シンガポール航空やエティハド航空のA380機にはドアを閉められる完全な個室があるし、エミレーツ航空とエティハド航空の機内にはシャワーも完備されている。
必要なマイル数は?
では、機上でキャビアや最高の酒が提供され、ダブルベッドまで完備しているシンガポール航空のスイートクラスの旅を体験するのに必要なマイル数はどれくらいだろうか。
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答は(言うまでもなく)フライトの長さによる。そういう体験をしたければ、シンガポールから香港やボンベイあたりまでのフライトが最低5万マイル(と数ドルの税金)で手に入る。アラスカ航空が提供する効率の良いマイレージサービスを通して予約すれば、アメリカン航空やキャセイパシフィック航空のファーストクラスでの太平洋横断の長距離フライトが最低7万マイルで可能になる。
アメリカを出発点にして大西洋を横断するなら、マイルから最大価値を引き出せるのは(税金は高くなるが)、8万マイルほどで手に入るブリティッシュ・エアウェイズかアメリカン航空のファーストクラスになる。