台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

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台湾政府はアジアのAI(人工知能)開発のハブとしての地位を高めようとしている。Grand View Researchのデータによると、AIの市場規模は2025年までに3909億ドル(約43兆円)に達する見通しとされている。

台湾は過去数十年の間、世界のハードウェア製造のハブとして栄えたが、AIの重要性が増す中で、国内のテック系人材の活用の見直しを迫られている。ハードウェア製造への依存度を下げ、AI分野での雇用を増やすことを台湾は狙っている。

世界の大手テック企業の多くが、台湾の人材の魅力に気づいている。台北の北西部に位置する新竹県は、広さ12万6000平米のAIビジネスパーク「新竹県国際AI智慧園区」を年末までにオープンさせ、各国の企業を呼び込む計画だ。

「AIパークの設立の目的は、企業間の交流を促進するだけでなく、スタートアップと大手企業との連携を促していくことにある」と調査企業IDCの台湾支社のShirley Tsaiは話す。「AI関連の企業が集まることで、AIのエコシステムの成長を加速させる」とTsaiは続けた。

グーグルやIBM、マイクロソフトらは既に、AIの開発拠点を台湾に構えている。彼らが台湾を選んだのは、アジアの中でも優秀なエンジニアを比較的低コストで採用可能だからだ。さらに、中国での採用は知的財産権の管理上のリスクにつながるが、台湾であればそのようなリスクも抑えられる。

台湾政府は昨年、毎年1万人のAI人材をトレーニングする計画を立ち上げた。新竹県のAIパークは総面積の3分の2がAI関連の企業に割り当てられ、国際展示場やスタートアップ向けのインキュベーションセンターも併設される。

今回のAIパークのロールモデルとなったのが、新竹県と新竹市の間に位置する「新竹サイエンスパーク(Hsinchu Science Park)」だ。約40年前に政府によって設置された新竹サイエンスパークは、半導体大手のTSMCなど520社以上が拠点を構え、約15万人が働く台湾のシリコンバレーとして知られている。

編集=上田裕資

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