世界の歴史を変えたとも言える「iPhone」、初代「iMac」や「iPod」など、約半世紀に渡るアップルの歴史の中で生み出されてきた名品を振り返る。
Apple IからiPhoneまで。アップルの進化の軌跡
1976年、スティーブ・ジョブズらによって創設されたアップル。その歴史は、世界初のキーボードとディスプレイ一体型のコンピュータ「Apple I」の開発から始まった。その後、「Macintosh」の開発やジョブズの追放、そして復帰劇などが繰り広げられ、その後に生まれたのがiMacである。
ここからアップルの快進撃が始まり、iPodやiPhoneのリリースと進化、そして現在へとつながっていく。
コンピュータデザインに革新をもたらしたiMac
初代「iMac」が誕生したのは、88年のこと。カラフルでスケルトンのデザインは、当時のコンピュータ界に衝撃をもたらした。そのデザイン性の高さから、日本でもグッドデザイン賞を受賞した。

初代「iMac」(MediaNews Group/Bay Area News via Getty Images)
ファッションのようにコンピュータのカラーバリエーションを楽しむという概念はセンセーショナルに受け止められ、また、コンピュータに機能面以外の新たな価値や選択の基準を生み出した。
アップル大躍進の引き金となったiPod
発売から20年近くが経ち、新品未開封品が200万円を超える価格でネットオークションサイトに出品されたことで話題となった初代iPod。
2001年、ジョブズ自ら発表したiPodは、従来のハードディスク型音楽プレーヤーの4分の1ほどのサイズでありながら、最高10時間の連続音楽再生を可能にした。
ジョブズの有名なスピーチにあった「1000曲をポケットに」という言葉通り、ユーザーにいつでもどこでも、まるでポケットから取り出すかのように好きな音楽を楽しむという自由をもたらした。

初代「iPod」(Alena Veasey / Shutterstock.com)
ホイール型のインターフェイスで、多くの楽曲リストの中からスクロールで容易に曲を探し出せるなど操作性にも優れたiPodは、後のiPhone誕生に欠かすことのできない、アップルの進化と躍進の原点ともいえる存在だ。
タッチパネルから世界を変えたiPhone
07年に発表された初代iPhoneは、日本国内では発売されていなかった。
カメラのスペックも、機能面もまるで乏しく、現在のモデルと比べると、考えられないほど「できない」ことが多い代物だった。
iPhone 3GSとして日本上陸を果たしたのは、その翌年のこと。当時はタッチパネルによる操作や大型ディスプレイ、そしてアプリを使うことでiPhoneの機能を拡張するという概念はすべてが斬新で、操作ボタンがないことに戸惑いを感じるユーザーも少なくなかった。
今では、家電製品のボタンやリモコンの存在が煩わしく感じられるほど、iPhoneは私たちのコミュニケーションや暮らしを大きく変えた。
デバイスやリソースを通して、数々の革新をもたらし続けるアップル。中でも名品と称される初代モデルの数々は、懐かしさだけでなく、技術や時代の進化の足跡、そして未来への可能性をも感じさせる。