自分を研究し続ける。鈴木愛理のキャリア18年を支えた、プロの美学。


あとは、貪欲さ。一緒に仕事をしたことのある方々と組めば、一番安全だし、信頼できるし、失敗もないと思います。でも、やったことないことに挑んでみたい。そういう考えが自分だけでなくてチーム全体にあるから、発表したばかりの2ndアルバムでも初めて関わるプロデューサーの方や企業の方も多く参加していただきました。

このアルバムは、ファーストアルバムに比べて自分で作詞した楽曲も多くて、“1人の人間としての鈴木愛理”を楽曲に落とし込んでいくことを意識したんです。タイトルの『i』にも、そういう意味が込められていて。私の人間くささがより表現されているという点で、これまでと変化があります。



ソロデビューして、新しく自分を創っていくことに最初は戸惑いもありました。「℃-ute時代のファンの方々、自分自身の経験を大事に残しながらアーティストをやりたい」という想いも強かったから。でも、最近昔からのファンの方からのこんな言葉をかけられることが増えてきたんです。

「愛理ちゃんは、すごく僕たち・私たちのことを考えてくれてるけど、もっと前に出て行っていいよ。ついていくから」って。

ハっとさせられましたね。過去を意識しすぎて、後ろを向いちゃってたなと。もちろん、これまでの15年の活動や、それを応援してくれたファンの方を大切にする気持ちは変わりませんが、みんなが背中を押してくれるなら「行っちゃえ!」と改めて決意することができました。

ソロ2年目に入って挑戦したいことがまた増えたんです。やりたいことも、諦められないものがたくさんできちゃったし「まだ全然やめられない!」と思います。しばらくは全然働くと思います(笑)。

しっかり自分の身を削って、美味しいものを食べて、またインプットして……。それを繰り返しながら、アーティストとしても1人の女性としても、色んな経験を積んで、作品を通じて伝えていきたいですね。

文=萩原愛梨 写真=小田駿一

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