自分を研究し続ける。鈴木愛理のキャリア18年を支えた、プロの美学。

12月18日に2ndアルバム「i」(アイ)をリリースする、アーティストの鈴木愛理


すでに活動を始める元メンバーを横目に、もどかしかった半年間。
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その完璧主義も、ソロになったことをきっかけに心持ちが変わってきました。°C-ute解散からソロデビューに向けて半年間は、私にとってかなり苦しい時間で……。

その期間は、音楽活動は一切しないという取り決めがあって、インスタグラムでの発信活動しかできなかったんです。それまで15年間ずっと活動を続けてきたのに、急に水面下でしか活動できなくなってしまって……。

すでに新しいステージで活躍し始めている°C-uteのメンバーを見ていると、焦りもありましたし、「人生で一番」ってくらい悩みました。もどかしくて苦しかった。
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どん底まで悩んだからこそ、簡単には立ち直れない人の気持ちが分かるようになったから、人から何か相談された時にも、慎重に伝えるようになりましたね。

「今までポジティブだって思ってた私が、こんなに悩めるんだ」って今まで知らなかった自分の感情にも出会えたし、自分の中にも振り幅ができたと思います。

「そもそもあなたは根っからのポジティブではない」って母親からは言われるんです。ネガティブな経験があるからそれを乗り越えるためにポジティブ変換する力を付けすぎているだけだって。

そんな15年間で作ってきた鉄壁みたいなものが、この時間のおかげで1回取れたように思います。「人間になりました!」みたいな(笑)

チームで互いに高め合いながら作品を作りたい

ソロデビューしていろんなことが変わったけど、その一つが自分から意見を出さなくちゃいけなくなったこと。例えば「こういう曲が歌いたい」「こういうダンスをつけてもらいたい」とか、自分の意志が求められるようになりました。

そんなときは、経験や才能に関わらず、現場を明るくする空気感を持っていたり、一緒に未知への探求ができそうな方と“チームを作る”ことを判断軸にしてます。

これは、私がモデルの撮影や他の現場に出向くときも気をつけていることなんですけど、誰かがマイナスのオーラを出してしまうと、現場の空気にも影響してしまうんですよね。だから私はどんな場面でも笑顔でいることを忘れないようにしてます。

緊張しすぎずに、楽しみながら挑戦をできるチームが、互いに高め合うことができて最終的にいい作品作りに繋がるんじゃないかなと思っていて。その視点は、自分の作品作りでもすごく大切にしてきました。だから、アルバム制作中のミーティングは、会議室じゃなくてあえて焼肉屋とかを提案して、砕けた場でいろんな意見が出るように環境づくりしてますね。
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文=萩原愛梨 写真=小田駿一

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