ビジネス

2019.09.18

MBOを実行し、再び独立──創業4年目のスタートアップが下した、決断の舞台裏

GENEROSITY代表取締役CEOの⻄垣雄太

「2019年、2020年にかけて広告業界が劇的に変化し、たくさんのゲームチェンジャーが出てくる。そうした環境を迎えるにあたって、もう少し攻めた経営をしていかないといけない。であれば、再びオーナーシップを取り戻して経営した方がスピーディーに意思決定していけるのではないか。両社で話し合った結果、この決断に至りました」

ブランドエクスペリエンスエージェンシーの「GENEROSITY(ジェネロシティ)」は9月18日、経営陣が保有する特別目的会社(以下、SPC)を通じて、親会社であるニューホライズンキャピタルから株式の100%を取得してマネジメント・バイアウト(以下、MBO)が成立したことを発表した。この決断について、GENEROSITY代表取締役CEOの⻄垣雄太は冒頭のようにコメントした。

またMBOに際し、SPCがジャフコ、三井住友海上キャピタルを引受先として総額9億円の資金調達も実施したことを明かしている。

増え続ける需要に対応できず、組織が疲弊

GENEROSITYは、プロモーションのプランニングから、O2Oマーケティングソリューションの「#SnSnap」をはじめとした写真・動画コンテンツ(機材)の提供や、ターゲティング広告、メディア運営などSNSを活用したマーケティング、プロモーション、ブランディングのできるサービスを展開している。

創業は2015年。当初はイベントにおけるSNS拡散を促進するツール「#SnSnapシリーズ」をはじめとしたオリジナルプロダクトを多くのイベントや店舗に導入していた。

「当時はインスタグラムが日本でも急激に成長していたこともあって、弊社の売上も右肩上がりで成長していきました。しかし、急速に増え続ける需要に対して、組織の整備もできておらず供給が全く追いつかず……。

そうした状況の中、資本政策でいくつかの企業をまわっているときにニューホライズンキャピタルと出会い、2016年12月に同社の完全子会社になる決断をしました。以降、経営面、資金面でもたくさんの支援をしていただきました」(西垣)

ニューホライズンキャピタルの完全子会社となり、まずは組織の整備に着手。働くオフィスも整え、人材も採用し、需要に対応できる供給体制を構築した。そうする間に「ビジネス環境も変わっていた」と西垣は振り返る。
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文=新國翔大 写真=GENEROSITY提供

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