ライフスタイル

2019.07.27 19:00

海外に向けて発信して学んだ、「消耗しない」SNSとの付き合い方

写真=Atsuko Sakai -Hikari Green-

写真=Atsuko Sakai -Hikari Green-

「SNS上でフォロワーを増やすには」という記事を良く目にする。

当時私が活用していた、日本以外の国の海外のコスプレイヤー達が広く使っていたDeviantArtという英語のSNSでは、正確なフォロワー数が計測できなかった。それでも東日本大震災が発生した日には一晩で世界中から「Hikariさん無事ですか?」と私の安否を気遣うメールが200通近く届いた。

ドイツやタイ、スペインなど世界各地で開催されるコスプレイベントに参加したときは、現地の多くのコスプレイヤーがSNSを通してすでに私のことを知ってくれていた。

当時の経験から学んだ、私が考えるフォロワーの概念について以下に記したい。

ずっと覚えていてくれる人を大切にする

数年前、私のコスプレ写真が世界に拡散されたことがきっかけとなり、世界中から日々多くのコメントが送られるようになった。

その中に、私が海外で知られる以前、アカウントを作った初日からずっと継続的に、いいね!と共に私をフォローし続けてくれていた外国人ファンの方がいた。

アカウント開設から1年くらいが経った頃、私は、その方が私の写真にコメントしてくれたタイミングで「貴方は私がアカウントを作った初日に私の写真をー番最初にFavoriteしてくれたね、覚えているよ、ずっとありがとう」と返信した。

その外国人ファンの方はとても喜んでくれて、私に対してネット上からコスプレ活動資金のための寄付までしてくれた。

一番大事なものは、定量的なものでは見えないと感じた瞬間だった。

私は何度もコメントしてくれる人や写真を良く見てくれる人を時系列で全て記憶し、折に触れて「あの時は~してくれてありがとう」と伝えるようにしていた。

年齢や国籍、コスプレしているかしてないかも関係なく、私の作品を覚えていて定期的にリアクションをくれる人には感謝の気持ちを伝えるようにしていたのだ。

普段表で数多く発言するフォロワーが目立ちがちだが……

また、東日本大震災の時には「ずっとサイトをただ見ていただけだったけど、心配で、今回初めてメールをしました」という海外の人からのメールもいくつも受け取った。

彼らの丁寧なメールを読んでいて、SNS上でリアクションをする人たちはほんの一部の層でしかなく、SNSに登録すらせずただ作品を眺めているサイレントユーザ一層が多くいること、そして彼らこそがよく作品を見ていることに驚かされた。
次ページ > ネット上の写真をすべて消したときの意外な反応

文=Atsuko Sakai -Hikari Green-

ForbesBrandVoice