ライフスタイル

2019.07.27 19:00

海外に向けて発信して学んだ、「消耗しない」SNSとの付き合い方


また、前述の通り私がファンドマネジャーとしてのキャリアアップのためにコスプレ活動を中断した時には、悩んだ末に、ネット上に公開していたすべての写真を一晩で消してしまったことがあった。

「どうせ、私以上のクオリティで綺麗なコスプレイヤーなんていくらでもいるからなあ……」と思い、何も考えずに一気に消してしまった。

しかし、消して一晩明けてみたら、海外のファンの女の子が有志で立ち上げてくれた私のファンサイトに大量の写真が上がっていた。

「Hikariさんが消えた、信じられないし、ショックだ。Hikariさんは全ての人に対等に優しく接してくれた、こんな日本人コスプレイヤーさん初めてだった、戻ってきてほしい」

そんなメッセージが海外のファンの人たちからのコメントが書かれていた。

私ははそれを見て泣いてしまった。「まさか私のそんなところを見ていたなんて」と、心の底から驚かされた瞬間だった。

オーディエンスはとても賢い

ファンの数を簡単に稼ぐ方法はいくらでもある。トレンドや流行を捉えて注目を簡単に集める投稿をするのはそれほど難しくはない。

しかし「注目を集めよう」と思って行った投稿に集まるフォロワーは、簡単に目の前からいなくなる。

今はフォロワー数やいいね数が多い方が良いという考えが台頭しているが、フォロワーは傍観者でもあり、本当にその人のことが好きなのか、それともただ観察しているだけなのかはわからない。

そんなフォロワーたちに対して、不特定多数の人々に自分の情報を撒いていたら、自分自身も消費型コンテンツの一つに成り下がってしまう。

インターネット上で、自分が思っている以上のものが簡単に多くの人に伝わってしまう時代だからこそ、オンライン・オフライン関係なく、対峙する相手は大切にすべきだと痛感している。

ソーシャル上のフォロワー数を増やすこと自体を目標にするではなく、ソーシャル上でしかつながる可能性のない人たちと、どれだけ実を伴った交流ができるか。これこそが、これからの時代のSNSにおける真に幸せなフォロワーの増やし方ではないだろうか。

連載:金融女子コスプレイヤーから見た「世界」
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文=Atsuko Sakai -Hikari Green-

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