中年期の活動量がアルツハイマー病の発症と関連? 女性800人で調査

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何十年か後に認知症を発症するリスクを低下させるための効果的な方法は、中年期に活動的な生活を送ることかもしれない。40年以上にわたって実施された追跡調査の結果、そうした可能性が示された。

認知症の発症の原因や予防の方法について、具体的な答えはまだ見つかっていない。だが、これまでの研究の結果、どうすれば発症を防ぐことができるかについてはいくらかの方向性が示されてきている。

その方法を示す行動のリストの一番上にくるのは、精神的・身体的に活動的であることだ。最新の研究が改めて示したのは、さまざまな活動と3つのタイプの認知症のリスクの低下の相関関係だ。

ジャーナル「ニューロロジー」に掲載されたのは、平均年齢47歳の女性800人を44年間にわたって追跡調査した結果をまとめたもの。調査開始時、参加者たちは自分の精神的な活動レベルを1~10のスコアで評価。それをベンチマークとした。

精神的活動には、楽器の演奏や読書、コンサートに行くこと、クラブ活動への参加、礼拝に参加することなどが含まれる。これらに積極的であるほど、スコアは高くなる。

身体的な活動については、参加者を「活動的」と「非活動的」なグループに分けた。「活動的」な人たちのグループには、週当たり4時間の軽度の身体活動(庭仕事、ボウリング、サイクリング)から週に数回のランニングや水泳、エアロビクスなどの強度の高い運動をする人までを含む。

調査期間中には、800人の女性のうち194人が認知症を発症した。大半がアルツハイマー病だったが、中には血管性認知症、混合型認知症を発症した人もいた。

研究の結果、精神的な活動レベルが最も高かった女性は活動レベルが低かった女性より、アルツハイマー病を発症するリスクが46%、全てのタイプの認知症を発症するリスクが34%低かった。また、身体的に最も活動的だったグループは活動量が少ない女性たちより、血管性認知症を発症するリスクが53%、混合型認知症を発症するリスクが56%低かった。
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編集=木内涼子

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