「ミツバチ保護」提唱の米俳優、モーガン・フリーマンの挑戦

(Pascal Le Segretain/ by Getty Images)

俳優で映画監督のモーガン・フリーマンは慈善活動家としても有名だが、現在81歳の彼は、新たな試みを始動させた。フリーマンの新たなプロジェクトは、ミツバチの保護活動だ。

彼はミシシッピ州に124エーカー(約50万平方メートル)の農場を保有しているが、そこをミツバチの保護区にする。フリーマンは2014年に人気テレビ番組The Tonight Showに出演した際にも、趣味としてミツバチを飼っていると話し、ミツバチの保護は環境を守る上で重要だと述べていた。

フリーマンはミシシッピでのミツバチの保護区の立ち上げに向けて、アラスカ州からミツバチの巣を運びこんだ。そして、餌となる砂糖や水の供給設備を整備し、ミツバチが好むモクレンの木やラベンダー、クローバーなどを植えた。

養蜂場で働く人々は一般的に、ハチに刺されないための防護服を着用するが、フリーマンは、そのような対策をとらないでも、一度もハチに刺されたことがないと話した。彼はミツバチを育てることを純粋に楽しんでおり、ハチミツを販売する気もないと述べている。

合衆国環境保護庁(EPA)は近年、ミツバチの数が激減したと指摘している。背景には働きバチの大半がいなくなる蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder)の発生があげられている。ミツバチは植物の花粉を運ぶ大切な役割を果たし、彼らが居なくなることは生態系に大きなダメージを与えることになる。

昨年秋にトランプ政権は、ミツバチを殺す殺虫剤の禁止措置を緩和する方針を打ち出した。殺虫剤や遺伝子組み換え作物は、ミツバチの減少の主要因とされている。

ミツバチが近い将来、絶滅の危機に瀕していることを示す明確なデータは示されていないが、ミツバチの減少が続けば、世界中の自然や農作物の育成に深刻なダメージが及ぶことは明確だ。

翻訳・編集=上田裕資

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