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アクティブスリープ BED

日本人の睡眠時間は7時間40分で、先進国の中で最も短いといわれる(2018年、OECD調査)。だが、貴重な睡眠時間(とはいえそれは1日のうち4分の1以上だ)だからこそ、少しでも投資をしたいという人はかなり多いだろう。

実際、寝具新聞社の調査(2016年)によれば、日本の睡眠市場は1兆円を超えるといわれている。睡眠トラッキング(記録)に注力するアップルや各種寝具メーカーの参入など、睡眠市場はいま注目が集まる領域だ。

そんな睡眠市場に、「体を気遣った眠り」のプロとでもいうべき企業が、参入する。3月18日、医療介護ベッド分野で国内シェア1位、世界シェア2位を誇るパラマウントベッドが、一般向けの睡眠・健康領域の新ブランド「アクティブスリープ」設立を発表したのだ。

ベッドに「角度」がつけば、寝つきが良くなる

パラマウントベッドが発表した「アクティブスリープ ベッド」の特徴は、睡眠時の状態に合わせて自動で「角度」を変えてくれる点にある。入眠時には眠りにつきやすい角度に、熟睡時には寝返りが打ちやすいよう平坦に、起床前にはスムーズに目を覚ましやすい角度に、ベッドが自動で動くのだ。

なぜベッドの角度を変えると、眠りにつきやすくなるのか? 実は、パラマウントベッドが専門としてきた医療・介護用ベッドでは、この手法は一般的なのだという。

普通に寝ている状態では、内臓が下がることで横隔膜(呼吸のための筋肉)が圧迫されてしまい、呼吸に負荷がかかっている。ベッドを少し起こすことで横隔膜への圧迫が減るため呼吸がスムーズになり、結果的に入眠しやすくなるのだという。



「アクティブスリープ ベッド」では、この技術を健常者の睡眠にも活用。健康な体の人であっても、横隔膜の圧迫が減れば寝つきが良くなるとわかったのだという。

とはいえ、ベッドが起き上がったままでは眠りづらいだろう。そこで眠りに落ちたことをセンサーが確認すると、ベッドの角度が緩やかに下降。熟睡時には平坦な状態で、違和感なく眠ることができる。

起床時には、セットした時間に再びベッドの角度が上昇。目覚まし時計のアラーム音がなくても、自然に目覚めることができるという。もちろん、センサーで記録された睡眠状態はアプリで確認可能だ。

ほかに、同時発売の「アクティブスリープ マットレス」では6つの部位ごとに硬さを10段階に変更できるため、その日の体調に合わせた最適な眠り心地を設定できる。

現在、先端テクノロジーを活用した睡眠テック製品は続々登場しているが、その多くは睡眠状態のトラッキング(記録)がほとんど。もちろんここからわかることもたくさんあるが、ユーザーはその情報をもとに、どのように生活を改善するのか自分で考えなければならない。

一方、アクティブスリープは導入するだけでユーザーが効果を実感できる。トラッキングデータを使わなくても、ベッドが自動で上下し、入眠・起床の補助をしてくれるからだ。

代表取締役社長の木村恭介は、「自分にあった睡眠をとれば、前向きでアクティブな人生を過ごせるはず。今回の事業は、我が社の新たな柱として開拓していくつもりです」とアクティブスリープ設立の意気込みを語った。

値段は「アクティブスリープ ベッド」が19万円、「アクティブスリープ マットレス」が19万円、「アクティブスリープ アナライザー」が5万円。体の動きを感知して自動でベッド角度を調整するギミックは、ベッドとアナザイザーがあれば体験できる。

予約はすでに受け付けており、6月1日から販売を開始する。

文=野口直希

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