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(左)大城健作(右)ニコラ・コロプリス

注目のデザイナー大城健作が、「ポルトローナ・フラウ」の新作家具と共に凱旋帰国。最高峰家具ブランドが彼を起用した理由、それは伝統を守りながら革新するためだった。


「ポルトローナ・フラウは、大きな影響力を持つ最高級家具ブランドのひとつ。価値、品質、クラフツマンシップを守り抜きながらも、現代的なエッセンスも併せ持っているのは、長い歴史の中で多くのデザイナーと仕事をしてきたから。それはつまりポルトローナ・フラウが、とてもオープンなブランドであるということの証明でもある。いつでも提案を受け入れ、共に旅路を歩むのです」

こう語るのは、同社のブランドディレクター兼ゼネラルマネージャーを務めるニコラ・コロプリスだ。

彼らは新たなパートナーとして、日本人デザイナーの大城健作を迎え入れた。ポルトローナ・フラウの哲学に感銘を受けた大城は以下のように語る。

「製品をデザインしていくうえでデザイナーが意識すべきは、ポルトローナ・フラウが積み重ねてきた時間軸の上にある“今”という点に立っているのだと意識し、そこから未来に向けて普遍的な美しい家具をつくること。自分のデザインをどうやって表現するかではなく、ポルトローナ・フラウの歴史の中で、自分は何ができるのかを考え、そのチームに参加していくイメージですね」。大城もその哲学に感銘を受けた様子だ。
 
そこから生まれたのが、「Lepli」と「Arabesque」というふたつの作品である。

「Lepli」と「Arabesque」

2016年発売の「Lepli」は、伝統的な鋲留めを現代的に翻訳し、ポルトローナ・フラウの技術を新しい姿で表現(写真左、172,223円〜)。「Arabesque」は、軽やかに見せるために構造から開発したアームチェアで、インジェクションモールドで作った硬質ポリウレタンのボディに、職人がレザーをはり込んでいる(写真右、711,112円〜)。

「どちらの作品もシンプルに見えるが、とても複雑なつくりになっている。それこそが美しさの源泉であり、技術の賜物でもある。ポルトローナ・フラウの伝統を表現しながらも、東洋的な軽やかさを感じさせる。我々の価値観を違った形で表現するプロセスは、非常に興味深かった」と、ニコラも賛辞を惜しまない。
 
ポルトローナ・フラウは、理想のライフスタイルをつくるための“メニュー”でありたいと考える。だからデザイナーを通じて文化を融合し、伝統を守りながら進化するのだ。


大城健作◎1977年、沖縄県生まれ。ミラノやロンドンにて有名デザイナーの元で働き、2015年に独立。多くのプロジェクトに関わる人気デザイナーに。現在は、ミラノ在住。

ニコラ・コロプリス◎1966年、イタリア・バーリ生まれ。2008年にポルトローナ・フラウのコマーシャルディレクターに就任。その後、販売や組織編成担当を経て、16年より現職。

文=篠田哲生 写真=上條伸彦

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