主要キャストが「容疑者」でも撮影続行か、米ドラマEmpireの行方

米ドラマEmpireのワンシーン。右から2番目が、ジャシー・スモレット容疑者。(Photo by FOX via Getty Images)

米ドラマEmpireのワンシーン。右から2番目が、ジャシー・スモレット容疑者。(Photo by FOX via Getty Images)

人気ドラマ「Empire 成功の代償」の俳優ジャシー・スモレットは1月末に、同性愛や人種を理由に2人組の男に襲撃されたと報じられた。しかし、当初はヘイトクライムと騒がれたこの事件はその後、スモレット本人の自作自演だったとの説が浮上していた。

そんな中、米シカゴ警察が正式にスモレットが「容疑者」であることを認めた。2月21日、シカゴ警察の広報担当のAnthony Guglielmiはこうツイートした。

「ジャシー・スモレットは、警察に嘘の報告をしたクラス4の重罪の容疑者として、警察の捜査を受けている。捜査官らは現在、大陪審に証拠を提出している」

スモレットは1月29日の深夜、シカゴの自宅前でマスクを被った2人組に襲撃され、警察に通報した。警察は当初、スモレットが「人種差別的な偏見に基づく犯罪に巻き込まれた可能性がある」と発表していたが、現在はこの見方を撤回し、スモレットが事件の一部、もしくは全てをでっち上げていた可能性があると述べている。

地元紙のシカゴ・サン・タイムズは、スモレットが虚偽通報の疑いで検察に訴追されたと伝えた。

この件に関しスモレットの弁護団は、「他の米国市民と同様に、スモレットは推定無罪の原則で守られている。今回の事件に関しては、様々な情報がリークされており、不正確なものもある。厳密な調査を進め、彼を弁護していく」と述べた。

スモレットの自作自演説が浮上したのは、2月13日に警察が、容疑者とされるナイジェリア人の2人組を逮捕し、その2日後に釈放されて以降だ。警察関係者は容疑者とされた2人が、スモレットと面識があり「彼から金で雇われて犯行に及んだ」と話したと暴露した。

この件に関しスモレット側の広報担当者はコメントを拒否した。自作自演説が高まる中で、一部からは彼がドラマの降板を迫られるとの説も流れたが、ドラマを放送する20世紀フォックスはこの説を否定している。

20世紀フォックスによるとスモレットは、ドラマのシーズン9に登場予定であり、彼の出演場面を含む2エピソードの撮影がまだ終わっていないという。

「Empire 成功の代償」は2015年からFOXテレビで放送中のドラマシリーズで、音楽業界のトップに君臨するセレブ一家の愛憎や、人間模様を描いた作品。スモレットはこのドラマで、音楽レーベルCEOの次男でシンガソングライターの、ジャマル・ライオン役を演じている。

テレビ業界のアナリストは、今回の事件がドラマの人気にダメージを与える可能性は低いと述べている。

編集=上田裕資

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