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2019.02.02 11:00

ポルシェが「テスラをお手本」に米国で進めるEV充電所の整備

BalkansCat / Shutterstock.com

EV(電気自転車)を普及させるにあたり、最大の課題は充電ステーションの確保だ。ポルシェは同社初のEV車両の「タイカン(Taycan)」を今年、米国市場に投入するにあたり、テスラをお手本とし、全米に急速充電ステーションを整備しようとしている。

ドイツの高級自動車メーカー、ポルシェのタイカンの基本モデルの価格は8万ドル(約870万円)という。ポルシェはタイカンの購入者らに、3年間の無料の充電サービスを提供すると宣言した。タイカンのオーナーは、フォルクスワーゲン傘下のElectrify Americaが全米数百カ所に展開する充電所を利用できる。さらに、全米のディーラー191店舗に急速充電所を設置するほか、自宅用の充電システムの販売も開始する。

「Electrify Americaと各地のディーラーの協力を得て、ポルシェはタイカンのオーナーらに、全米規模の充電インフラを提供する」と、北米ボルシェのCEOを務めるKlaus Zellmerは声明で述べた。「さらに、家庭用充電ユニットを用いれば、自宅のガレージを充電ステーションにすることも可能だ」

テスラは今から約10年前に、約10万ドルの価格でロードスターの販売を開始し、ハイエンドのEV市場の覇者となった。しかし、今後はポルシェのタイカンをはじめ、アウディのe-tronやジャガーのI-Pace、キャデラックらの追い上げに直面する。

ポルシェは先日、予測を上回る予約注文を受けたため、タイカンの製造台数を引き上げるとアナウンスした。

テスラは先日、Model SやXの廉価版モデルの販売を打ち切り、今後は基本価格が10万ドル近いプレミアム車両に注力する姿勢を見せていた。一部のアナリストは、今回のテスラの決断の背景には、新たな競合らが6万ドルから9万ドルの価格帯で市場に参入してくることをあげていた。

ポルシェのタイカンの詳細はまだ限定的にしか明かされていないものの、4ドアクーペのこの車両は、最高出力600馬力を誇り、1充電で300マイル以上の走行が可能だという。

タイカンのオーナーは購入から3年間、全米のElectrify Americaの充電所が使い放題になる。Electrify Americaの充電ステーションは、42州の高速道路に300カ所以上、17都市に180カ所以上に整備されている。

ポルシェとElectrify Americaの公式発表によると、タイカンの販売開始は2019年後半になるという。両社は7月1日までに、全米484カ所の充電ステーションに、合計2000台以上の充電機器の設置を終える予定だ。

テスラは2012年のModel Sの立ち上げに合わせ、充電ステーションの整備を進め、当初は無料で急速充電所を開放した。しかし、利用者数の拡大につれて、料金の徴収を開始した。

さらにテスラは先日、充電ステーションの利用料の値上げを発表した。テスラのファンサイトElectrekの試算では、1キロワット時あたりの価格は33%の値上げになるという。

編集=上田裕資

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