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I write about diversity and inclusion in and out of the workplace.

(Photo by Dan Kitwood/Getty Images)

グーグルでは昨年11月、「アンドロイドの父」として知られるアンディ・ルービンが、セクハラ問題の発覚後、9000万ドルもの退職金を得て2014年に退社していたことが問題化し、約2万人の従業員らがデモ活動を行っていた。

それから2カ月が経過した今、グーグルのセクハラ処罰ポリシーに異論を唱える従業員らが再び、ソーシャルメディア上で抗議の声をあげ始めた。

従業員らが問題視しているのは、グーグルがセクハラ被害に遭った従業員に強制仲裁(forced arbitration)を今でも、紛争解決のオプションの一つとして提供していることだ。強制仲裁というのは、労働者たちの権利を事実上剥奪するもので、職場での紛争を内密に処理し、雇用者が幹部を告訴することを防ぐための措置だ。

シリコンバレー企業の多くの雇用契約には、強制仲裁や秘密保持、守秘義務に関する条項が盛り込まれている。デモの主催チームは、この強制仲裁条項の存在が、ハラスメントや差別に直面した労働者の権利を奪い、被害を公言することや法的措置に訴える手段を奪うものだと主張している。

11月のセクハラ問題に抗議する従業員のデモ活動以降、グーグルはセクハラを申し出た従業員に対し、それまで必須とされていた強制仲裁を、選択肢の一つにするとアナウンスした。この動きにはエアビーアンドビーやフェイスブックなどの企業も追随した。

しかし、デモの主催者らはグーグルの対応が十分でないと考えている。現在は強制仲裁が必須ではなく、オプションの一つに位置づけられてはいるものの、差別やハラスメント被害の訴えの場においては強制仲裁が適用されるケースは依然として多いという。さらに、強制仲裁以外の選択肢を選べるのはグーグルのフルタイムの雇用者のみであり、契約労働者はこのオプションを選択できない。

「グーグルは今回の制度変更をメディアに対し、大きな前進として宣伝した。しかし、この措置は公平性を欠いていおり、契約労働者には何のメリットも与えていない」とデモ活動の主催者はMediumの投稿で述べ、「これは単なるパブリシティだ」と指摘した。グーグルは今でも、不服を申し出た人々らに強制仲裁に応じるように要請しているという。

Cornell大学が2003年から2007年の仲裁案件を調査したところ、労働者が仲裁で勝利を収める確率は、法廷訴訟の場合より低い確率だという。また、得られる賠償金額についても、法廷での勝訴の場合よりも低い水準にとどまっている。グーグルにこの件に関するコメントを求めたが、回答は得られていない。

「私たちのゴールは2つある」とデモの主催団体のTanuja Guptaは述べた。「まず一つが、労働者たちに対し、仲裁に関する適切な知識を与えること。もう一つが、議会に適切な法規制の実施を呼びかけることだ」

デモの主催者らは9月15日にツイッターで、この件に関する情報共有を行おうとしている。また、インスタグラム上では、専門家の見解やセクハラ被害者の抗議声明を掲載する。

「強制仲裁の撤廃は、職場の透明性の確保や、平等性の確立に向けての大きな前進になる」と主催者らは述べている。

編集=上田裕資

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