米保険・年金保険企業のグローバル・アトランティック・ファイナンシャル・グループが先ごろ発表した調査によると、米国の退職者のうち約5人に2人(39%)は予想以上に金を使っており、退職前の消費者(40歳以上)の49%は、退職後の計画が自分たちの親世代と比べ難しくなっていると考えていた。
退職後の計画と実際の支出の間には、なぜこうした相違があるのだろう? 多くの退職者は、医療や住宅に必要な支出の見積もりに失敗している。年金額が保証されている人でも、家のメンテナンスや処方薬などの費用の高騰を過少に見積もっているかもしれない。ほとんどの人は、社会保障のみでは十分にカバーできない。
グローバル・アトランティックの退職部門で社長を務めるポーラ・ネルソンは「ファイナンシャルプランナーはこれまで、退職後の計画を議論する例えとして3脚の椅子を使用してきた。3つの脚が象徴するのは社会保障・年金・個人的な貯蓄だ」と述べた。
「しかし、年金が少しずつ消失し、個人的な貯蓄は不十分なことが多く、社会保障に関する不安も募っている。そんな中、この3つの脚では不十分だと認識されるようになり、個人やそのアドバイザーたちはその他の収入源を探している」(ネルソン)
ここでは、退職後の生活を快適にする5つの方法を紹介する。
1. 退職後の支出を予想する
現実的に考えて、退職後の支出はどれくらいになるだろうか? 現在と将来の支出を基にして、支出項目の詳細をエクセルにリスト化することが必要だ。
2. 貯蓄が持つ年数を計算する
退職後の支出予測を基にすると、資産はどのくらい持つだろうか? この結果に応じ、支出を減らしたり、ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を変えたりすることが必要かもしれない。
3. ポートフォリオを変更する
株式を増やせばリスクは増えるものの、インフレを打破することができる。債権や現金は、生活費の上昇についていくことができない。50歳未満の人がこれから運用を始める場合、株60%、債権40%から始めるとよいだろう。
4. 貯蓄を増やす
これは最も簡単な解決策だ。時間をかければ複利をためることができるし、確定拠出年金の拠出金を増やせば違いが見えるはずだ。確定拠出年金の初期の拠出割合が4%の場合、6%に上げてみよう。なお良いのは、昇給するたび自動的に拠出金を上げることだ。そうすれば、拠出金を上げるかどうか考えずに済む。
5. 退職を先延ばしにする
退職金制度に投資する期間が長ければ長いほど良いのは明白だ。また米国では、70歳まで社会保障制度の給付金受給を待った場合、生涯の収入を基にした最高額の給付金を受けることができる。