その後、マイクロソフトはEdgeと呼ばれる新たなブラウザで復権を果たそうとしている。EdgeはWindows 10から標準搭載されたブラウザで、登場から3年が経つが、依然として主要ブラウザにはなれていない。
そこで、マイクロソフトはEdgeに新たなイノベーションを投入し、再びこのブラウザの勢力を盛り返そうとしている。同社はグーグルがChromeに使用したのと同じコードで、Edgeの再構築を行うのだ。
マイクロソフトのJoe Belfioreは、先日の同社のブログでEdgeの次期バージョンが、Chromiumのオープンソースプロジェクトをベースとしたものになると述べた。ChromiumはグーグルのChromeだけでなく、オペラやVivaldiなどの有名ブラウザでも用いられているエンジンだ。
Chromiumを発展させたのはグーグルのエンジニアたちだけではないが、グーグルの社員がその大半を作り上げた。そこにマイクロソフトが参加するのは、大きなシフトチェンジといえる。
BelfioreによるとマイクロソフトがChromiumを採用する背景には、いくつかの理由があるという。Chromiumの利点は互換性の高さや、アップデートの容易さであり、今後はEdgeをMac OSにも対応させたいとBelfioreは述べている。
Belfioreはあえて述べていないが、マイクロソフトがChromiumを採用する最大の理由の一つは、ブラウザの開発にかかるコストを下げたいからだと推測できる。自社でシステムを磨き上げるよりも、既存のChromiumコミュニティの力を借りたほうが効率的な開発が可能になる。その一方で、Edgeならではの独自機能をマイクロソフトは盛り込むはずだ。
マイクロソフトは既に、外部のウェブデザイナーや開発者たちに、Edgeの最新バージョンのテストに参加するよう呼びかけている。Edgeの次期バージョンは、2019年の早期にリリースが予定されている。