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ネーミングが世界をつくる

RomanKos / Shutterstock.com

TOKYO2020を2年後に控え、日本選手の活躍が目立ったインドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会。わたくしが注目したのは、「eスポーツ」と「頭脳スポーツ(マインドスポーツ)」だ。

「eスポーツ」とは、コンピューターゲームの対戦競技「エレクトロニック・スポーツ」の略称であり、今回の大会では正式種目ではなく公開競技として行われた。18カ国・地域から135人の選手が参加し、6種目を個人・チームで戦われたが、DJライブのような光と音の演出もあって、スポーツ大会の新たなムーブメントを感じさせてくれた。

次回の2022年の中国・杭州大会からは、公式のメダル競技としての採用も検討されているという報道も出ており、「eコマース」や「eガバメント」のような「eなんとか」の流れに、スポーツ界としてもとりあえず乗っておこうという、単純な思いつきの話ではどうやらなさそうだ。

ブリッジはメダルを争う公式種目

さて、もうひとつの「頭脳スポーツ」。夜半に漫然と観ていた、アジア競技大会を報じていたテレビのニュース番組で、「日本代表の73歳と27歳のペアが出場!」というテロップが出た。高齢で出場するということは、射撃か馬術か。しかし、馬術のペア競技ってあったかな、といぶかしんでいたところ、その競技は、なんとトランプのブリッジ(正式名称は「コントラクトブリッジ」)であった。

画面には、いかにも浪速の派手なおばあちゃんと眼鏡をかけた細面のキャラクターの20代が登場し、その対比はいかにもテレビ映えするペアであったが、日本代表は惜しくも準決勝進出は果たせず第5位で終わった。

記憶力と経験と運が勝敗を分ける競技なので、やはり年齢のせいもあったのかと調べてみたら、なんとフィリピン代表のブリッジ選手は最高齢で85歳。参加したブリッジの代表選手は全体で80代3名、70代は11人、60代は30人とのこと。むしろ年齢と強さは関係の無い競技と言ってもいいだろう。

このブリッジであるが、今回のアジア競技大会では、何とメダルを争う公式種目として行われていたのだ。ニュース番組では、ブリッジ愛好家の有名人としてビル・ゲイツの「ブリッジのような奥深さを持つゲームはめったにない」というコメントとともに、「頭脳スポーツ」であるとして、ブリッジを紹介していた。

しかも「頭脳スポーツ」としては、最近のアジア競技大会では、2006年のカタール・ドーハの大会でチェスが、2010年の中国・広州の大会では囲碁が、公式種目として行われてきた歴史があり、2022年の中国・北京で行われる冬季オリンピックでの採用も目指しているという。

また、「eスポーツ」についても、公式種目化に関して、国際オリンピック委員会と国際スポーツ連盟機構が主催するフォーラムも開催され、実際に論議が行われている。「eスポーツ」といい、「頭脳スポーツ」といい、いま「スポーツ」というものの概念が、あらためて問い直されている時期なのかもしれない。

文=田中宏和

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