今回の特許は「音声入力処理のためのユーザープロファイリング」と題されている。これは、電子デバイスが音声入力を処理する上で、ユーザー別のプロファイルを作成するものとされる。個人の識別には声紋などの特徴が用いられる。
この特許が公になったのは8月14日のことだが、アップルが提出を行なったのは昨年のことであり、同社は既にもっと先進的なテクノロジーを完成させている可能性もある。資料では、この機能がパーソナライズを意識したものであることが強調されている。
「電子デバイスが生体情報(声紋など)に基づいて、個人を識別する。特定のユーザーを認識した場合、デバイスは個人の好みを理解し、それに沿ったデータのサブセットを用意する。サブセットにはユーザーに対応した単語やデータ、ユーザー自身がデバイスに保存したコンテンツなどが含まれる。また、ユーザーが利用する可能性が高い、アプリケーションに対応したワードが含まれる場合もある」と資料には記載がある。
つまり、Siriが特定の個人を認識した場合、そのユーザー宛てに届いたメッセージを読み上げたり、ユーザーが好むアーティストを記憶しておいて、その楽曲を再生するなどのアクションが可能になる。特許資料にはパーソナライズに関する記述が繰り返し出てくる。
「処理モジュールは特定のアプリケーションに対する過去のインプットや、コンテキストの参照を行なう。例えば、そのユーザーが野球のスコアやニュースに関心を持っているが、バスケットボールやホッケーには関心がないなど」
アップルはユーザーの利用履歴から関心や好みに関するデータのライブラリを創り上げ、より高度なパーソナライズを可能にしようとしていることが伺える。これはあくまでも特許資料であるため、本当にこの機能が実現されるのかどうかは不明だ。
しかし、HomePodやiPhoneがユーザーの名前を判別して、回答を返すようになったとしたら、少々気味が悪いかもしれないが、面白いことになる。「デイブさん、すみません。それは私には出来ません」といった具合にSiriが反応する未来も、すぐそこまで来ているのかもしれない。