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2018.06.26 07:30

米国が狙うのは「第2のプラザ合意」? 明白な日本と中国の違い

Dilok Klaisataporn / Shutterstock.com

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中国からの輸入製品の多くに関税を課した米政府はここ数カ月間、中国への明確なメッセージを発信してきた。それは、「米国市場をこれ以上、あって当然のものと考えてはならない」「貿易収支の均衡を取るため、中国は自らの市場を開拓しなくてはならない」というものだ。

米国が他国にこうしたメッセージを発するのは、初めてのことではない。米国は日本に対して同じことを伝え、そして1985年9月22日、「プラザ合意」を取り付けた。

日本経済は当時、多額の対米貿易黒字を計上していた。だが、プラザ合意後には急速な低迷と、その後のバブル景気を経験。世界のリーダーになり得るとも見られた日本の経済は、現在に至るまでの長期的な停滞に陥った。「失われた20年」は今もなお、その年数を増やしている。

中国は日本と同じ運命をたどるだろうか?それは分からない。日本の経済成長の鈍化を加速させた問題には人口動態もあるが、中国にそれと同じ問題があるわけではない。ただ、中国には日本にあるようなイノベーションを推進する力がない。この力は、新興国が経済を発展させた後に陥る「中所得国の罠(低賃金の労働力と外国の技術をまねることだけでは高い成長率を維持できない状況)」を克服するために欠かせないものだ。

また、中国には大きな潜在力を持った国内市場があるが、同国政府が消費経済を支える政策を打ち出し、必要な制度を整えるまで、その力が顕在化することはないだろう。中国は銀行の貸出先を、地方自治体から民間に移行させる必要がある。

だが、その実現はいくつかの理由から、容易ではない。中国の銀行は大半が国有だということが一つの理由だ。信用供与は市場の力ではなく、政治的権限によって行われている。銀行の融資対象は、労働組合や政府官僚の計画を遂行する国有企業(SOE)や郷鎮企業(TVE)、大規模な土地開発業者に集中しているということだ。

もう一つの理由には、福祉医療制度が十分に整備されておらず、国民が収入の多くを貯蓄に充てていることがある。さらに、中国には債務の問題もある。実際にどの程度かは不明だが、公式発表によれば、政府部門の負債比率(対GDP比)は48.5%だ。そして、この数値には銀行やSOE、TVE、年金基金の債務は含まれていない。

中国に日本と同じことが起きるかは分からない一方、明らかなこともある。それは、外圧に屈するかどうかという点において、中国はたとえ多大な犠牲を払うことになっても、日本とは異なる行動を取るということだ。

中国政府は日本とは違い、過去にも貿易に関連して他国とぶつかり合ってきた。脅威を感じれば今回も、相手国への対抗措置を講じていくだろう──各国の金融市場には、その状況に耐える準備ができているだろうか?

編集=木内涼子

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