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「仮想通貨」マーケット実況 

Tibor Duris / Shutterstock.com

先週末から今週にかけてのビットコイン価格は売り優勢となっており、14日早朝には70万円ちょうどまで下落(フィスコ仮想通貨取引所(FCCE))した。2月22日につけた取引時間中の年初来最安値(FCCE)をうかがう展開となっている。

先週末に韓国の取引所がハッキングの被害にあったと伝わっており、度重なるハッキング被害にセキュリティ面が嫌気されたとの声はあるが、今回の下落の要因は、米国で発表された学術論文ではないかと考える。

この論文は、米国のテキサス大学オースティン校が発表したもの。内容は、昨年12月のビットコイン価格の急伸は価格操作によるものだと指摘しており、香港の仮想通貨取引所大手ビットフィネックスが、ビットコインと連動性の強い仮想通貨「Tether(テザー)」を利用し、価格を引き上げたのではないかと発表している。

調査報告では、価格操作そのものの証拠を確認したというわけではないが、複数の「疑わしいパターン」があったと指摘。テザーがビットコイン価格の上昇に関わっているという話はこれまでも市場で聞かれた。

これに対して、ビットフィネックスの最高経営責任者(CEO)は、ビジネスインサイダーとのインタビューで、「ビットフィネックス、テザーも市場価格操作のような行動に従事したことはない」「取引所において、テザーがビットコインや他のコイン、トークンなどの価格を引き上げることは不可能だ」と反論している。

大学の学術研究論文による指摘ということで、金融機関によるポジショントーク的なレポート要素が相対的にないことから市場の関心は高いと思われる。こうした疑惑が浮上しやすい業界なのが仮想通貨と言い切ってしまえばそれまでだが、健全な市場形成にはこうした疑惑をしっかりと調査する必要があろう。

ただ、米政府機関が香港を拠点とするビットフィネックスに介入するのは難しいと考える。明確に自国民が不利益を被ったという事実がなくては動けないだろう。こうした疑惑の追及が進まないとなれば、ネガティブなニュースとしてビットコイン価格の重しになると想定する。

足元のビットコイン価格は、Tether疑惑を材料にドル建てが先行して下落している。つまり日本の日中時間よりも米国がメインとなる夜間から早朝にかけて値が動きやすい状況にある。ドル建ての動向をにらみつつ短期的な売買を手掛けるのも手と想定。

70万円割れの場面では下を探るような動きが強まりやすいので、安値更新のタイミングで売りから入るのも手だろう。想定レンジは66万円から76万円とする。

連載:「仮想通貨」マーケット実況
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文=田代昌之

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