Close

PICK UP

.

バイオカーボン・エンジニアリングの創業者兼CTO、スーザン・グラハム

2017年の「30 Under 30」欧州版に選ばれた英バイオカーボン・エンジニアリングの創業者兼CTOのスーザン・グラハム。

同じく選出されたエネチェンジ共同創業者の城口洋平が「起業家として大事にしていること」について聞いた。


「Why Now?(なぜ、いまなのか?)」植林ドローン・スタートアップである英バイオカーボン・エンジニアリングの共同創業者兼CTOのスーザン・グラハム。英オックスフォード大学博士課程に在学中だった2014年、彼女が同社を起業するにあたり大事にしていたことのひとつだ。

スーザンらが率いるバイオカーボン・エンジニアリング社は、「森林破壊が続いている中、500億本の木を植え、世界をカーボンニュートラル(排出される二酸化炭素を自然が吸収できる段階)にすること」が目標だ。そのため、ドローンとAI(人工知能)技術を活用して、より効率的な植林の実現を目指している。

同社によると、ドローン1台で、1ヘクタール分の木を植えるのにかかる時間は、わずか18分。人間の手よりも10倍スピーディに、かつ、コストは半分になる。さらに技術的には、1人で6台のドローンを同時に操作でき、1日に10万本を植えることが可能だ。

同社の強みは、「生存率」だという。最初に、植林計画中の地域の地形、地質、障害物などの情報について画像認識を通して集めて解析。次に、植物学者らとともに、その場所に合った木と肥料を選ぶ。そして、ドローンにシード(種)・ポッドを300個積み込む。計画された経路を低く飛び、ポッドを地面に向け発射するため、命中精度が誤差数センチ以内に収まる。ポッドは、水分によって分解されるという。イギリスやオーストラリアで行われた実験では、ヘリコプターで種を蒔いた場合よりも大規模な土地に展開しやすく、また命中精度も高いことが実証された。

「森林破壊という課題は、これまでも存在し、市場も存在していた。ただ、世界中でサスティナビリティ(持続可能な社会)が問われるようになり、市場が拡大期に入った。そして、ドローン技術も商用可能な段階になり、AI技術を応用できる技術トレンドがきた。その“交差点を迎えるタイミング”を予見し、起業した」

同社は創業から3年間の研究開発期間を経て、17年に商用化を開始。CEOローレン・フレッチャーも、物理学の博士号をもち、NASA(米航空宇宙局)で20年以上勤めたエンジニア。創業期の経営陣が理系博士号をもつなど、深い技術的理解に基づいた「リスクと機会の分析」ができたことが現在につながっているという。

「明確なミッションでチームを結合すること。そして、技術的なタイミングを見極めることが起業には最も重要です」


スーザン・グラハム◎英オックスフォード大学博士課程在籍中にいくつかのスタートアップに参画。2014年に同社を共同創業。「本当の失敗は、何もしないことだと思っています」

聞き手=城口洋平 写真=ジェニファー・エンドム

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい