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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

Photo by Chesnot/Getty Images

中国のレノボはかつてPCメーカーとして名を馳せたが、近年はスマートフォンメーカーとしての動向に注目が注がれている。しかし、レノボのスマホ市場での存在感は、ここ数年で急激に低下している。

レノボは2014年にモトローラを買収したが、モトローラのブランド力を有効に活用しきれていない。調査企業「IDC」のアジア環太平洋地域担当のKiranjeet Kaurによると、レノボは中国のスマホ市場で1%のシェアしかとれておらず、世界のスマホメーカーランキングでは数年前の5位から8位にまで転落した。

台北の調査企業「Market Intelligence」によると、グローバルでのレノボのシェアは2017年に3.2%にまで減少した。

中国では競合のシャオミやOppo、Vivoといった新興メーカーが勢力を伸ばし、レノボはシェアを奪われた。ライバルが低価格で高機能なスマホを打ち出すなかで、レノボは2015年から地位を低下させたとKaurは話す。

「デザイン面でもテクノロジー面でもレノボの端末は差別化ができていない。さらに、販売チャネルの問題もある。レノボは中国で昔ながらのキャリア主導の販売に頼り、新たな環境に適応できなかった。競合らがオンライン販売や地方での販売チャネルの開拓に乗り出すなか、レノボの動きは遅かった」とKaurは分析する。

レノボが期待を注ぐのがラテンアメリカ市場だ。特に大きく成長したのがブラジルでのスマホ販売だ。レノボはモトローラの端末のローカライズを行い、売上をさらに伸ばそうとしている。しかし、中国での同社の苦戦は明らかだ。

2014年にレノボはグーグルからモトローラを29億1000万ドル(約3000億円)で買収した。レノボはモトローラのブランド力で、米国や中国での市場を固めたい意向だった。当時のモトローラは米国で耐久性が高いイメージを確立していた。

コンサルティング企業「Market Intelligence & Consulting Institute」のアナリスト、Eddie Hanによると「モトローラの端末『Moto Z』シリーズは競合と戦う上で大きなメリットを持っていた」という。

しかし、レノボはモトローラブランドを有効利用できなかった。サブブランドの「ZUK Mobile」も立ち上げから23ヶ月という短い期間で終了を迎えた。レノボは今年2月、シカゴの拠点の人員を解雇し、組織再編を行うと報道された。

ARやVRに注力の意向

「レノボは今後のスマホ市場での販売戦略を、まだ決定できていないようだ」とHanは述べた。モトローラのブランド力は中国では発揮できなかった。また、ブラジルやインド、メキシコといった地域でも成功とは呼べない状況だ。

レノボの広報担当は業績に関するコメントを控えている。しかし、香港市場に上場するレノボの業績からは、スマートフォン以外の分野に活路を見出していることが見てとれる。

レノボの2017年の第三四半期のIR資料には「携帯端末の売上は想定通り」とある。同社のスマートフォン事業部の売上は前年同期比5%減の21億ドルだった。一方で、PCとスマートデバイスからの売上は7.6%の伸びで、データセンター部門も16.7%の売上増だった。

レノボは今年3月に発表した声明で「コア戦略をAR(拡張現実)インテリジェンスに転換する」と述べた。また、2月の「モバイル・ワールド・コングレス(WWC)」で同社は、音声操作を売りとした2-in-1タブレットPCの「Yoga Book」シリーズを大きくアピールした。

レノボはまた、一体型のVRヘッドセット「Mirage Solo」を400ドルで、5月に米国で発売しようとしている。

編集=上田裕資

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