「手数料」は重要:コストは低く抑える
バフェットこれまでの投資から得た教訓の一つとして、「運用成績は変化する。だが、運用報酬は揺るがない」と記している。投資にかかるコストはできる限り低く抑えることが賢明だという。長期的に見ればそうすることで、投資額を増やすことができる。
投資対象としてインデックスファンドを選べば、市場で取り引きされているほぼ全ての株式や債券を買うことができる。年率 0.15%以上の運用報酬を支払う必要はない。
債権は長期投資に不向き
リスクに関する投資家の見通しは、視野の広さに欠ける場合がある。ほとんどの場合、債券は株式に比べ確実なものだと思われているが、リスクの形態は一つではない。慎重に考えて投資する必要がある。
例えば、米長期国債は満期まで保有すれば(額面上の)価値を失うことはないが、リスクは償還期間が短いほど低いと言える。債権は住宅購入の際の頭金や自宅の修繕費、近い将来に必要になる大学の学費などの短期的に準備しておく必要がある資金や、緊急時用の蓄えを作るためには最適である一方、長期的にはほぼ全てが、インフレの進行や金利の上昇によって価値を失うことになる。
冷静さを保つ:投資を続ける
米国市場ではこのところ、主要な株価指数が下落する一方で債券利回りが上昇するなど、不安が高まった。国内の政治情勢はかつてないほどに正気を失い、不安定さを増している。ロシアの問題や金利上昇、インフレ進行への懸念もある。
こうしたときに、私たちはどうすべきだろうか?希望をなくすようなニュースがヘッドラインを飾るようなときには特に、健全な精神状態を保ち、投資を続けることだ。
バフェットは書簡の中で、1973~2009年には4回、バークシャーでさえ株価を37%~60%近く下げたことがあるとして、次のように述べている。また、投資のプロではない限り、借入金に頼る投資は行わないことが賢明だと忠告している。
「...借入額が少額であり、自分のポジションが相場の急落ですぐに脅かされるような状況ではなかったとしても、不安な気持ちにさせるニュースや固唾をのんで耳を傾けるようなコメントによって、混乱することになるだろう。不安定な心が、良い決断を下すことはない」
バフェットは常に、株価が下落したり売られたりしているときこそ、買うべきときだと考えてきた。「負債を抱えているという不利な条件がない人たちには、株価が大きく下落したときに大きな機会が与えられる」という。
つまり、私たちには流動性を保つこと、緊急時用の蓄えを作っておく必要があるということだ。そして、株価が下落したときには買い増すべきだということだ。