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Matej Kastelic / shutterstock.com

航空交通量が世界的に急激に増加してきたことに伴い、マナーの悪い乗客による迷惑行為も大幅に増加してきた。機内で何かおもしろくないことがあったとしてキレる「エア・レイジ」が数多く報告されてきた中でも、特に関心を集めたのは「大韓航空ナッツリターン事件」だ。

2014年12月に起きたこの事件では、ファーストクラスの乗客として乗っていた同航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ)副社長(当時)が、客室乗務員のナッツの提供の仕方が気に入らないとして激怒。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で離陸のため滑走路に向かっていた航空機を、ゲートに戻すよう命令したものだ。

この一件が明るみに出たことを受け、趙は副社長を辞任。業務妨害などで有罪となり、1年の実刑判決を受けた。ただし、2審で無罪となったため、趙が服役したのは3か月間だった。

報告件数は減少

国際航空運送協会(IATA)のデータによると、2014年には世界全体で、手に負えない乗客の迷惑行為が9315件報告された。翌15年には前年比で14%増え、1万854件が報告された。ただ、2016年にはわずかに減少、9837件となった。これは、1434便当たり1件の計算になる。

こうした世界的な傾向に対し、米国内でのエア・レイジの発生件数は、どのようになっているのだろうか?米連邦航空局(FAA)によると、2004年には310件が警察に報告されたが、その後は減少しており、2016年には99件となっている。

問題は機体の設計にある?

ただし、乗客の迷惑行為を誘発しているのは現代の旅客機の設計そのものであるとの指摘もある。「クラス」によるさまざまな違いが、一部の旅客の神経を逆なでしているというのだ。米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された調査結果によると、ファーストクラスが存在することで、エコノミークラスの座席で乗客がエア・レイジを起こす可能性は、3.84倍高まるという。

また、エコノミークラスの乗客が機体前方の乗降口から搭乗し、ファーストクラスのキャビンを通って自分の座席に着いた場合、どちらのクラスの座席でも、迷惑行為に及ぶ人が増える可能性が高まると見られている。機体中央部の乗降口から搭乗した場合では、エコノミークラスの乗客は2.18倍、ファーストクラスの乗客は11.86倍、キレる可能性が高くなると推定されている。

乗客のエア・レイジにつながる要因としては、上述のような「搭乗パターン」のほか、レッグルームの広さ、飛行時間の長さ、乗客の数などが考えられという。クラスによる食事の質の違いも、原因となり得るだろう。ナッツをボウルに入れず袋のまま提供したことで趙を激怒させた、「ナッツ・レイジ」の例もあるのだ。

編集=木内涼子

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