ワークライフバランス実現は「幻想」 私たちは何を目指すべきか

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ライフコーディネーター、クリエーターとして数々の事業で成功を収めてきたマーサ・スチュワートは昨年末、米CNNテレビのインタビューで、自身はワークライフバランスを実現することができなかったと語った。

「ワークライフバランスの実現は、最も難しいことの一つだ。そのバランス(が取れた状態)とは、私たちのほとんどにとって捉え所がないものだ」

「私は大きな仕事をするということの魅力のために、結婚を犠牲にしなければならなかった…バランスを取ることは、私たちの大半にとって不可能だ」

カリスマ主婦と呼ばれてきたスチュワートが実現できないなら、誰にできるというのだろうか。現実世界のミレニアル世代がこの問題についてどう考えているのか、ソーシャルメディアを通じて探ってみた。

「バランス」という言葉が間違い

ワークライフバランスの「バランス」ではなく、「インテグレーション(統合)」「ハーモニー(調和)」「ブレンド(一体化)」などを使うべきだと提案する人たちがいる。

私たちが目指すのは、常に全てのことのバランスが取れているというよりも、より流動的であることだ。生活のあらゆる側面について、コントロールすることができていると思う週もあれば、いずれか一つの方向に大きく傾いていると感じる週もある。

「バランスが取れている」ということ自体が実現不可能な基準であり、結果として絶えず私たちに、挫折感をもたらしている。

「仕事」の位置づけが重要

仕事に情熱を持っている人なら、心身の健康を維持するためのセルフケアが重要だ。仕事から一歩離れ、自分自身に心を向けることは、なかなか難しいことだ。だが、そうすることで得られるものには価値がある。セルフケアは、過重な負担による燃え尽き症候群を防ぎ、ストレスの悪影響を軽減し、改めて何かに集中することを助けてくれる。

それほど仕事に夢中なわけではないという人にとって重要なのは、熱中できる趣味を見つけることだ。何かに打ち込めるということの意味は、非常に大きい。ミレニアル世代のある女性は、「仕事の後に何か楽しめることの予定を入れておくのは、いいことだ。必然的に、その日は残業しないということになる…同僚にも、予定があることは知らせてある。こうしたことで同僚たちとお互いに助け合うのは、とても大切なことだと思う」と述べている。
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編集=木内涼子

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