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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

Photon photo / shutterstock.com

フォーブス ジャパンが発表した「日本のベンチャー投資家ランキング」の特徴は、ベンチャーキャピタル(VC)が投資したスタートアップ企業のIPO(新規株式公開)、M&A(合併・買収)が双方ともに好調だったことが挙げられます。

IPOでは、ゲーム攻略記事サイト運営のGamewith、家計簿アプリなどを提供するマネーフォワード、「ユーチューバー」のマネジメント会社であるUUUM(ウーム)など。そして、M&Aでは、IoT通信のソラコム、電気自動車開発のGLMなどが代表的な企業です。ソラコムのような大企業からの大型買収やGLMのような海外企業からの買収など、これまでにない事例も見られました。

日本のベンチャー投資は現在、順調な成長を遂げ、「ベンチャーエコシステムの拡大」のための飛躍期を迎えていると言えます。ランキングに象徴される出口分野での好循環だけでなく、入り口、支援分野でもいい流れが起きています。

ひとつはベンチャー投資金額の増加です。ジャパンベンチャーリサーチの調査によると、国内ベンチャー企業資金調達額は2014年の1390億円から1716億円(15年)、2099億円(16年)と右肩上がりに増加。17年上半期も昨年同規模で増加しています。また、VC組成金額も1675億円(14年)から2362億円(15年)、2763億円(16年)と増加しています。

ふたつめは、事業会社による直接投資、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)による投資の積極化です。16年の国内ベンチャー企業資金調達額の中でVC投資は全体の47%程度。オープンイノベーション加速の流れもあり、事業会社からの投資は、日本では課題と言われていた大企業によるスタートアップの買収増加にもつながります。

最後は、「コネクテッド・インダストリーズ」関連分野への投資の増加です。同領域への投資(16年)は前年比150%以上のペースで成長し、ベンチャー投資の新しい潮流になっています。ヘルスケア分野(対前年比159%)、フィンテック分野(同152%)、ロボティクス分野(329%)、人工知能(AI)分野(246%)、IoT分野(184%)。

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そして、8月にはKDDIがソラコムを200億円以上で買収、9月にはAIスタートアップのパークシャストラテジーが上場し、時価総額約1500億円企業となるなど、「成長の芽」は確実に見えています。2018年以降、2〜3年は間違いなく、本格的なテクノロジースタートアップの時代となり、IPO、M&Aも出はじめるでしょう。ただ、新しい領域のため、エコシステムの整備が必要だと思います。

米国では、年間7.6兆円のVC投資があり、VC組成金額も4.6兆円。ファンドへの出資者も、大型機関投資家が牽引し、3割近い金額を海外から獲得しているなど、日本とは大きな差があります。だからこそ、転換期を迎えている現在、民間VC、事業会社、国のイノベーション投資と三位一体となって「日本のベンチャーエコシステムのよりよい進化」に取り組んでいく必要があると思います。

編集=フォーブス ジャパン編集部

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