投資家たちが昨年、最も安定的に利益を確保するために頼りにしたのは、どの銘柄だったのだろうか?出来高の上位10社は、以下のとおりだった。
1. ロイズ・バンキング・グループ(Lloyds Banking、銀行・保険)
2. UKオイル・アンド・ガス・インベストメンツ(Oil & Gas Investments、資源投資)
3. グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline、製薬)
4. BT(電気通信)
5. シリウス・ミネラルズ(Sirius Minerals、肥料開発)
6. BP(エネルギー)
7. ナショナル・グリッド(National Grid、送電・ガス供給)
8. ボーダフォン(Vodafone、携帯電話)
9. ロイヤル・ダッチ・シェル/B(英国上場)株(Royal Dutch Shell B、石油)
10. カリリオン(Carillion、建設)
ザ・シェア・センターのアナリストは、「投資家たちが株取引により精通してきているのは明らかだ」と語る。業界の問題や企業に関する買収観測、配当金や利益に対する懸念などによって評価に不安が生じた場合、そのタイミングをチャンスと捉え、それらの銘柄を買う人が増えているという。
今年の注目銘柄は?
当然ながら、投資における成功の秘訣は最も将来の成長が見込める銘柄を見極めることだ。投資家たちは今年、どの企業に最も注意を向けるべきだろうか?英金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンによると、その上位に入るのは、以下の5社だ。
1. リーガル・アンド・ゼネラル(Legal & General、金融サービス)
ハーグリーブス・ランズダウンのアナリストによれば、リーガル・アンド・ゼネラルは投資家に多額の配当金を支払っており、今後もその増額が見込まれている。
2. ブリティッシュ・ランド(British Land、不動産・REIT)
不動産投資信託(REIT)を運用するブリティッシュ・ランドは、英国内の各地に土地を所有。REITは賃貸料収入を原資として得た利益の90%を配当金として支払うことが義務付けられている。
前出のアナリストは、利益の確保や英国の欧州連合からの離脱(ブレグジット)に起因する不安定性に備えることを目指すには、適した銘柄だろうと述べている。
3. AGバー(AG Barr、清涼飲料)
清涼飲料メーカーのAGバーは、傘下に「タイザー(Tizer)」や「アイアンブルー(Irn Bru)」などのブランドを持つ。英国では砂糖を含む飲料を対象とした「砂糖税」が導入される予定だが、施行を前に業績は好調だ。
4. ソフォス(Sophos、コンピューターセキュリティー)
ソフォスは中小企業をサイバー攻撃などから保護するためのソフトウェアや関連サービスを提供する。現在の環境においては、需要の高いサービスだ。
5. バーバリー(Burberry、ファッションブランド)
新たに就任したバーバリーの最高経営責任者(CEO)は、自社をトップブランドに位置づけることを目指している。ハーグリーブス・ランズダウンの別のアナリストは、ハイブランドはより高いマージンが見込めるものだと指摘している。
ブランドを一段高いレベルに引き上げるには、店舗に明確に「高級な」イメージを持たせなければならない。そして、そのためには「ラグジュアリーではない」店舗をなくす必要がある。これは、短期的な売上高と利益の減少を意味するものだが、いずれも2021年以降は増加が見込めるという。