世界最大級のショッピングモールの運営事業会社らが事業統合を行うことは、Eコマースの普及によりリアル店舗が苦戦している状況を示している。
ウエストフィールドはニューヨークのワールドトレードセンターや、ロサンゼルスのセンチュリーシティをはじめ米国やイギリスで35ヶ所のショッピングセンターを展開。比較的富裕な消費者らをターゲットとし、数多くのハイブランドの旗艦店や高級レストラン、ジムなどが店を構えている。
今回の経営統合により、世界27都市に展開する不動産価値722億ドルの巨大企業が生まれることになる。
「今回のウエストフィールドの買収は、事業領域の集中と差別化やイノベーションを重視するウニベイル・ロダムコにとって自然な動きといえる。買収によりロンドンのモールや米国の富裕層を対象とした市場を手に入れられる」とウニベイル・ロダムコCEOのChristophe Cuvillierは声明で述べた。
ウエストフィールドはホロコーストを生きのびたフランク・ローウィが、1959年にシドニーで創業した企業。ローウィの資産額は59億ドルとされており、今回の買収により会長職に退くことになる。息子のピーターとスティーブはウエストフィールドの共同CEOを辞任する。
合併後の新企業はパリとオランダの2拠点に加え、ロサンゼルスとロンドンの海外支社を通じて運営を行うという。Cuvillierはウニベイル・ロダムコのCEOと新会社のトップを兼任する。
今回の買収の決議は両社の役員会で、全会一致で採択され、2018年の前半には手続きが完了する見込みという。