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2017.10.08

ネスレが買収のブルーボトルコーヒー、スタバの脅威となるか?

Photo by Justin Sullivan / Getty Images

ネスレは先ごろ、高級コーヒー店を展開する米ブルーボトルコーヒーの過半数株式を取得したと発表した。ブルーボトルの店舗数は現在、およそ50店舗。現時点では大手スターバックスの脅威となるものではないが、ネスレの後ろ盾を得れば、ブルーボトルは今後、急成長を見込めるかもしれない。

ネスレがブルーボトルのマーケティングに多額の予算を投じれば、ブランド力強化の実現につながり、長期的にはスターバックスの強力な競争相手となる可能性もある。出店地域の拡大や、購入後すぐに飲める「レディ・トゥ・ドリンク(RTD)」商品の開発などを進めることもできるだろう。

新たな主戦場は「グルメコーヒー」

スターバックスは、消費者の好みの変化に対応しようと高級コーヒー部門に注力している。プレミアム商品はスターバックスにとって、新たな成長エンジンにもなり得る。

市場調査サービスの英テックナビオ(Technavio)によると、都市化がコーヒーの消費量とグルメコーヒー需要を押し上げることから、スペシャルティコーヒーショップの市場規模は、2021年までに約1210億ドル(約13兆6000億円)に達すると予想されている。
 
こうしたトレンドに対応するため、スターバックスは新業態である「スターバックス リザーブ ロースタリー」に積極的に投資。現在はこの新たなコンセプトの下で1店舗を運営しており、さらなる出店を計画中だ。

また、スターバックスは中国を中心に積極的な店舗展開を進めているが、1店当たりの平均来店客数は、ここ数年にわたり伸び悩んでいる。向こう2年は減少傾向が続くと予想されているが、その後は緩やかに回復するとの見方もある。

さらに、同社は若い世代の好みの変化に合わせ、グルメコーヒーにもアイスコーヒーを加える計画だ。そのほか売上高の引き上げを目指し、フードメニューや高価格帯のグルメドリンクメニューの拡充と、それによる客単価の上昇にも力を入れている。

ただ、強力なライバル各社との競争は、スターバックスの来店客数と売上高のいずれにも影響を及ぼす可能性がある。

編集=木内涼子

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