少年は家族の団らんの場でもiPhoneを片時も離さず、じっと画面に見入っている。たまりかねた祖父らしき人物が、物を投げつけて少年にそれをやめさせようとするが、少年はそれでもiPhoneに向かい黙って指先を動かしている──。
事態が急展開を迎えるのは動画のエンディングの部分だ。家族が勢ぞろいしたクリスマスの日、少年はテレビのモニターにiPhoneで編集した動画を映し出す。少年はこの日のために、愛する人たちの何気ない日常をムービーで記録し、丹念な編集を加えてクリスマスの贈り物にしたかったのだ。「Misunderstood(誤解)」と題されたこの動画は実に感動的な仕上がりだった。
アップルは今年もまた、クリスマス向けの動画CMを制作した。「Sway(揺らぎ)」と題された今回の動画は、雪の降る街角で、偶然出会った男女が恋に落ちる物語だ。
アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」でサム・スミスの曲を聞きながら踊っていた女性が、路上で男にぶつかってしまう。二人はしばらく見つめ合った後、彼女が片方のAirPodsを男の耳につけさせる。すると二人は空想の世界に飛び立ち、月夜に照らされた街角を踊りながら駆け抜けていく。
この動画でアピールされているのは、大切な人と気軽に音楽をシェアできるAirPodsの便利さと、激しい動きをしても耳にフィットしつづける装着性の高さだ(動画の中ではAirPodsをつけて宙返りをする場面もある)。
動画に登場する男女は、ニューヨーク在住のダンサーだという。二人はオーディションの場で知り合い、結婚したという。二人の息の合ったパフォーマンスを見ていると、本当の恋人同士にしか出せない親密さが漂っているのが実感できる。
動画のエンディングには「move someone this holiday(誰かの心を動かそう)」というメッセージが表示される。ホリデーシーズンは今、はじまったばかりだ。
【動画:Holiday — Sway — Apple】
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=1lGHZ5NMHRY