給料が低すぎる米国の職業ランキング

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仕事の需要は、経済の発展と人口の増減に応じて変化する。需要が非常に高いのに供給が不足する職業では、労働者が現在得ている給与額と、雇用者が理論上で支払うべき給与額の間に差が生じている。しかるべき報酬を受けていないこうした職業をまとめたランキングが、米キャリア情報サイトのグラスドアにより発表された。

ランキング作成にあたり、グラスドアはまず各職業の現給与中央値を調査。その後、米国市場での特定のスキル・職務の需要と供給を、データ科学を用いて分析し、こうした状況で企業が実際どれくらいの給与を支払う意思があるかを予測した。ランキングでは、職務のメリットや社会的価値などの価値判断はしておらず、現在の報酬が高い職業も低い職業も含めている。

給料が低すぎる職業の第1位は救急医療技士(EMT)だ。現在の年収中央値は2万7637ドル(約310万円)。現在の需要を考慮すると給与は22%(約8000ドル)上昇する余地があるとグラスドアは推定する。

第2位も医療系の職務で、認定看護助手(CNA)だ。患者に臨床医療を提供する正看護師(RN)と准看護師(LPN)の支援を職務とする。

第3位は研究助手で、グラスドアには現在6万9000件以上の関連求人が掲載されている。第4位のJava開発者は、年収中央値が7万8000ドル(約880万円)とすでに高いものの、需要急増中のため、市場価値は約9万5000ドル(約1070万円)だ。

テック系の職業では、Java開発者以外にウェブデザイナーとソフトウエアエンジニア(SE)がトップ10入りしている。

報酬が不当に低い米国の職業トップ10は次の通り。

1位 救急医療技士(EMT)

現在の給与中央値:2万7636ドル(約310万円)
現在の市場価値:3万5407ドル(約400万円)
市場価値と現状の差:-21.9%(7771ドル)

2位 認定看護助手(CNA)

現在の給与中央値:2万4000ドル(約270万円)
現在の市場価値:3万505ドル(約340万円)
市場価値と現状の差:-21.3%(6505ドル)

3位 研究助手

現在の給与中央値:3万ドル(約340万円)
現在の市場価値:3万7935ドル(約430万円)
市場価値と現状の差:-20.9%(7935ドル)

4位 Java開発者

現在の年収中央値: 7万8000ドル(約880万円)
現在の市場価値: 9万4792ドル(約1070万円)
市場価値と現状の差:-17.7%(1万6792ドル)

5位 薬剤師

現在の年収中央値:11万8000ドル(約1330万円)
現在の市場価値:14万1261ドル(約1600万円)
市場価値と現状の差:-16.5%(2万3261ドル)

6位 ウェブデザイナー

現在の年収中央値:5万2000ドル(約590万円)
現在の市場価値:6万1508ドル(約700万円)
市場価値と現状の差:-15.5%(9508ドル)

7位 ソフトウエアエンジニア(SE)

現在の年収中央値:10万ドル(約1130万円)
現在の市場価値:11万7943ドル(約1330万円)
市場価値と現状の差:-15.2%(1万7943ドル)

8位 医療助手

現在の年収中央値:3万ドル(約340万円)
現在の市場価値:3万5320ドル(約400万円)
市場価値と現状の差:-15.1%(5320ドル)

9位 マーケティング責任者

現在の年収中央値:8万ドル(約900万円)
現在の市場価値:9万4107ドル(約1060万円)
市場価値と現状の差:-15.0%(1万4107ドル)

10位 コミュニケーション責任者

現在の年収中央値:7万6498ドル(約860万円)
現在の市場価値:8万9831ドル(約1010万円)
市場価値と現状の差:-14.8%(1万3334ドル)

編集=遠藤宗生

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