そうした傾向が顕著なのは欧州で、中でも独裁政権が過去に壊滅的な結果をもたらしたドイツでは、国民の93%が現在でもそうした体制に反対している。また、米国でも「強い指導者による統治は不適切」だと考える人が76%だった。
一方、英国とイタリアではおよそ4人に1人が、強力なリーダーによる統治を前向きに受け止めている。また、ロシアではそう考える人の割合は48%とかなり高水準に上る。今年5月に同センターが発表した別の調査結果によれば、ロシアでは今もミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領よりも、独裁者だったヨシフ・スターリンの人気が高い。その点から見れば、今回の調査結果はそれほど驚くべきものとは言えない。
アジア各国を見てみると、インドやインドネシア、フィリピンでは独裁的な指導者が率いる体制を支持する人が過半数に上っており、インドでそう答えた人の割合は、調査対象国の中で最も高い55%だった。さらに、ベトナムでも42%の人たちが、同様の考え方を示している。日本で強い指導者による統治が望ましいと答えた人の割合は31%に上っており、意外にも高い割合となった。
各国の調査対象者に「強力な指導者が議会・裁判所からの介入を受けることなく意思決定を下すことができる体制は、自国の統治のあり方として良いと思うか、悪いと思うか」と質問したところ、得られた結果は以下のとおりとなった(一部の国の結果を紹介。数字は左が「悪い」、右が「良い」と思うと答えた人の割合)。
・インド: 28%/ 55%
・ロシア: 43%/ 48%
・トルコ: 54%/ 40%
・ナイジェリア: 61%/ 38%
・ヨルダン: 66%/ 32%
・日本: 61%/ 31%
・イタリア: 66%/ 29%
・ブラジル: 63%/ 27%
・英国: 71%/ 26%
・米国: 76%/ 22%
・フランス: 88%/ 12%
・ドイツ: 93%/ 6%