物語は私たちに、人の「経験」に対する判断力を与えてくれる。それらは私たちが個人として働き、集団として生きるために役立つものだ。長年にわたって変わらず続いてきた「物語を読むこと」はビジネスにも役立つ。その理由は主に、次の5つだ。
1. イノベーションを促す
現実の世界で起きていることに置き換えれば、寓話は私たちに何が最善の対応策かを示してくれる。また、新しいものを取り入れようとするあなたの進む道を照らしてくれるのは、小説かもしれない。
悲劇や喜劇、超現実的な冒険を描いた物語を読むことで、私たちは人生に起こり得るさまざまな状況について理解を深め、人に共感することができるようになる。
2. 今後に向けた研究になる
物語を読むことで、私たちは登場人物のジレンマを実感し、彼らの周辺で起きるドラマの中に身を置くことができる。その物語の中でしか出会うことのない状況を体験することができるのだ。
フィクションはあなたが自分自身では持つことのない意欲を持った登場人物(あなたの顧客や競争相手もそうだろう)への共感を呼び起こさせる。次のプロジェクトやキャンペーン、新製品に向けた戦略的研究になる。
3. 本来できない経験ができる
フィクションを読むことは、これから起こり得るについて学ぶことであり、私たちが現実に置かれている状況では得られない貴重な経験をさせてくれる。
物語に描かれる内容は全て、私たちにとってのケーススタディーとなる。さらに、そこには会社の重役たちが挙げる箇条書きの説明事項なども書かれていない。また、主人公たちが経験するのと同じことを、あなたの顧客たちも経験しているかもしれない。
4. 問題解決へのケーススタディーになる
ビジネスと同様に、フィクションはその中で問題を定義し、それを解決しようとする。そして、コンサルタントのように、私たちが自分では思いつかないような考え方を示してくれる。登場人物が問題への対応を通じ、時間をかけて成長していくのと同じように、ビジネスも発展していくものだ。
5. 多様な価値観に触れられる
物語の中で描かれる会話や状況、登場人物の願望からは、損益計算書には示されない価値を読み取ることができる。そして、それらは行動経済学における最も重要な点だ。
分厚いフィクションの本を一冊,手に取ってみよう。楽しめると同時に、何かを学べるかもしれない。仕事についてもそれ以外のことについても、理解を深められるだろう。