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元ベストカー編集長・勝股優の「だからクルマは面白い」

東京モーターショー2015で紹介された次世代タクシー(Phoro by TOYOTA MOTOR CORPORATION)

大転換期だ。日頃あまり報道されない営業車の話だが、私は注目し、楽しみにしている。

日本のタクシーが変わる瞬間が近づいてきたのだ。イギリスのロンドンタクシーのような本格的なタクシー専用車が、11月初めあたりから走り始める。

ちょうど2年前の東京モーターショーにコンセプトカーとして出品されていたトヨタのタクシー専用車なのだが、当時「今回はどのクルマに注目しましたか?」という自動車専門誌の質問に、「そりゃトヨタのタクシー専用車だよ」と答え、ちょっと怪訝な顔をされたことを覚えている。

質問者はやっぱりスポーツカー好きな人らしかったが、私はタクシーを日本のクルマ文化の確かな進化と充実としてとらえたからだ。

現在走っているクラウン・コンフォートも、たまに走っている日産クルーもタクシー専用車ではある。しかしクラウン・コンフォートは名前はクラウンだが、中身は古いマークII。それを実用的な営業車としたものだ。日産クルーは旧ローレルと旧セドリックの合体営業車。どちらもA地点からB地点に移動するための足で、けっして快適な乗り物ではないことは皆さんもご承知のとおりだろう。最近多いプリウスのタクシーは乗り心地が硬すぎ、こちらも私には快適とはいえない。

ジムニー3代目は19年、センチュリー2代目は20年。そしてクラウン・コンフォートは1995年から今年5月まで、実に22年にわたって作られ続けた最長寿車だ。

なぜそうなったかというと、タクシー会社がモデルチェンジや仕様の変更を嫌がるからだ。タクシーは長く使われるクルマとなると40万km〜50万kmも走るといわれる。そのため、修理に使う部品を在庫させ、メインテナンスして走らせている。モデルチェンジが行われれば、部品が変わることになり、かなりの新規投資が必要になるのだ。世界中を走るランドクルーザーなども同じ理由でモデルチェンジサイクルは長くなる。

22年も作られ続けてきたクラウン・コンフォートは、進化から取り残され、燃費も悪かろう。さすがにタクシー会社もモデルチェンジに納得したわけだが、トヨタはさすがだ。中途半端なタクシー専用車ではなく、世界でも珍しい本格的なタクシー専用車を作った。お客様ファーストの心だね。

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ニューヨークのイエローキャブやロンドンタクシーにも近年日産のミニバン(NV200)が使われるようになったが、トヨタは写真のようにロンドタクシー型を選択した。

トヨタの新型タクシー専用車はJPNタクシーと呼ばれるが、現在のクラウン・コンフォートに比べ190mm短く、背は215mmも高い。全長が大幅に短くなるが、荷室は広く積み下ろしも楽。スーツケース2個またはゴルフバッグ4個が収まるという。

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ズングリムックリ、実用性重視のおかしなスタイルだが、トヨタのユニバーサルデザインに基づきバリアフリーを目指した意欲作だ。老人やハンディキャップを持つ人の乗降に気を配っている。車椅子乗車も考慮した広い室内も魅力。最新作だから乗り心地もいいはず。タクシーをよく使う私やビジネスパーソンは大歓迎だ。乗れる日が来るのが待ち遠しい。

JPNタクシーは10月27日から始まる東京モーターショー前後に正式発表・発売というから、11月初めには大都市周辺から走り始めるだろう。現在日本には24万台(個人タクシー4万台を含む)のタクシーがあるらしい。一気ではなく徐々にJPNタクシーが増え、日本の街の風景が少し変わるかもしれない。

価格はクラウン・コンフォートよりは100万円以上高いらしいが、その差額は燃費の向上によって早期に回収可能というから、便乗値上げはなさそうで、なにより。唐突ですが、国会議員の皆さんも黒塗りハイヤーではなくJPNタクシーを積極的に使ってはいかがでしょう。

私にとってJPNタクシーは今年1番の注目新車。自動車評論家の方々にぜひカー・オブ・ザイヤーに選んでもらいたいもんだ。えーっ、営業・商用車だと選考対象にならないって? それではせめて特別賞を。なにもスポーティカーばかりがクルマじゃないですよ。JPNタクシーは世界に発信できるクルマだと思うから。

追伸
トヨタ様、今年の東京モーターショーにはぜひシニアカーを出品・提案いただきたい。タクシーの後はぜひとも。

文=勝股 優

 

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