女性が強いられる「オフィスの家事」 職場での偏見をなくすには

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あなたが働く女性なら、どこかの時点で「オフィスの家事」を頼まれる可能性が高い。議事録を書いたり、備品を見つけたり、誰かのコーヒーを準備したり、という雑務だ。

あなたは性差に基づいた偏見はもう存在しないのではないかと望んでいるかもしれないが、これはいまだに世界中の多くの企業でまん延している。

大規模なグローバル企業のコンピューターエンジニアとして働く友人の女性が語った体験談は笑える一方で、至る所の女性が持つ典型的な経験だ。

友人:「私が他のエンジニアたちと6人で職場のオープンスペースにいると、男性がやってきて、他の職員ではなく私を選んでこう尋ねたの」

男性:「ビルのこちら側に移動することになったので、引っ越しに必要な箱をもらうように言われたんですけど」

友人:「そうですか(この人、なんで私に話しかけてくるんだろう)」

男性:「僕の新しい席、どこか分かります?」

友人:「いいえ(この人、今まで見たこともないんだけど)」

男性:「テープがどこにあるか分かります?」

友人:「いいえ」

男性:「備品のある部屋ってないんですか?」

友人:「ないですね」

男性:「あなた、事務の人じゃないんですか?」

友人:(ため息)

ヴァージン・グループの創業者、リチャード・ブランソンは、性別に関する偏見をなくす取り組みを率先して進める人物の一人だ。30人の経営者とのディナー会議で、ジェンダー間のギャップを無くし、職場での偏見に対抗するために男性ができることについて議論した際には、ブランソン自身が全ての議事録をとった。

ブランソンらは、女性は補佐的な仕事を担当すべきという、不公平な期待をかけられている問題について議論。その一例として挙げられたのが、まさにこの議事録だった。

ブランソンはこう記している。「これは女性にとって不公平なだけでなく、男性にも悪影響がある。男性が進んで補佐的な業務を共に担う時が来た。職場での性別に基づく偏見に対抗できる上、事業内部で何が起こっているか、もっと効率的に物事を進めるにはどうしたらよいかを、男性がより理解できる」

ブランソンの経験によれば、「リーダー的役割に就いている人の99%がメモとりをしない」という。議事録にまつわる偏見に対抗するためのブランソンのアドバイスは、出席者は全員が議事録をとる、というものだ。「男性が女性に代わって議事録をとるようになってはいけない。全員が行うべきだ」

なぜなら、議事録の目的は議事録を残すことだけではないからだ。ブランソンによれば、議事録作成により、アイデアを会議での言葉から実行・計測可能な目標に変換することができる。「もしアイデアを書き留めなければ、会議室を出る前にはもう頭から抜け落ちてしまうだろう」

ブランソンと共に偏見に終止符を打つためにできることは何だろう? 次回、会議を議事進行する際、自分(そして他の出席者も全員)が議事録を取るようにしてみよう。

編集=遠藤宗生

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